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土門「辛」聞

日独「6次産業化」エースは補助金に頼らない


 「いくつかの職業を遍歴して、いかに農業が大切であるかを痛感した。ところが、人の命に直結する産業なのに、補助金漬けで、農家にやる気がみられない。こんな農業界をぶち破ってやろうと思い、補助金に頼らぬ農業を実践してみようと考えた」

 実は、温室ハウスには、生産部門の別法人(農業法人カイセイ農研)で新潟県の補助金をもらった。でも遠山君は、これを補助金としてではなく、国から融資を受けたつもりで受け取っているそうだ。

 「毎年、きちんと利益を出すように努力している。そして減価償却分以上の額を納税することによって、もらった補助金を国に返済する方針だ。09年度の補助事業だから、すでに2年間、それを実行した。今後も一生懸命に努力して残りの部分を当初方針通りに実行する計画だ。結果論だが、温室ハウスも補助金なしでやればよかったと反省している」

 冒頭に述べた「6次産業化」のことを説明してみたい。カッコ付きで書いたのは、農水省が旗を振る「6次産業化」を批判的にみているからだ。これによる補助は、加工施設や直売所など自前の資金でも実現できるようなものまで対象にしている。そこには補助金に群がる脆弱な生産者の姿しか思い浮かばない。

 遠山君を日本のエースと称賛したのは、補助金に頼らず、自らの創意工夫で新たな事業にチャレンジするホンモノの農業者の姿をみたからだ。

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