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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
バイオ農業先達国、フィリピンに行きましょう!
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第52回 2012年08月10日
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成田からたった4時間、時計の針が23時を回るくらいにニノイ・アキノ国際空港に無事到着した。一番左の空いている入国審査では、明らかに口だけは達者に動く異常な数の牛タン戦術の車イス軍団が優先して通り抜けているのを眺めながら、われわれは正々堂々と入国スタンプのために、1時間ほど牛歩戦術させられたのは歓迎の挨拶代わりだと納得することにした。
ターミナル内でセント・トーマス大学の先生との待ち合わせの場所が分からず、30分ほど迷子になり、その後ホテルに到着。ガードマンは、かなり使い古したであろうショットガンを持ち、われわれ北海道のアーバン・カントリーヒック、早い話が洗練された田舎者に満面の笑みを浮かべ、入口のドアのロックを外してチェックインした。これから始まる3日間の緊張感と期待を十分認識できる初日のスタートであった。
ホテルの朝食は30年前に20歳だったであろうウエイトレスが注文を取りに来たので、心づけをテーブルに置いて席を離れようとすると、冨田先生から「大変なことになるよ」と言われたが、その意味を理解するのに3秒もかからなかった。周りで同じく朝食を取っている地元の人たちが私たちを見て、目を丸くしているのだ。その目線は私たちではなくジョージ・ワシントンの1ドル札に……。どうもお金の価値が違うようです。イングリッシュが通じるのは知っていたし、使用する通貨もUSドルでもOKだと安易に考えていたので、成田では現地の通貨ペソに両替をしないで、かの国ならぬ、比の国にやってきたのだ。
今回、私たちの世話係をしていただいたのは冨田先生が教べんを取られているセント・トーマス大学の先生方で、以前、北海道大学・農学部留学時代の教え子なのだから、これからのバイオ北海道農業に少しでもお役にたつのであれば、光栄この上ないことである。
ではあるが、早朝からフィリピン農務省、あの緑の革命を成し遂げたIRRI(国際稲研究所)、組み換えの関連施設、研究所、承認機関を立て続けに歴訪するツアーを敢行することになり、アーバン・カントリーヒックには多少、荷が重い感じは否めなかった。それぞれの機関ではフィリピンの組み換え作物の承認関係の仕組み、特定除草剤耐性、Bt(特定害虫抵抗性)の利点や組み換えの仕組みを拝聴することになったのだが……。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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