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1枚の圃場では完全不耕起直播にも取り組んでいる。V溝直播機(鋤柄農機製)は溝を切っていくので、表面に残渣が残っていても播種できる。不安定な苗立ち対策に、来年からは、後方に鎮圧ローラを取り付ける予定。耕起しないため、雑草の種も掘り起こさないという効果を期待している。小麦作と組み合わせを考えつつ、圃場選定の工夫が必要になるという。
機械による一貫体系で、作業時間の短縮を進める一方で、「作業計画・管理支援システム(通称PMS)」(農研機構)を導入し、工数管理、機械管理まで徹底している。樋揚げ方式で、水域ごとに4日に1回水が入る。毎朝、ソフトを立ち上げて、見回りコースや草刈場所を決めるために活用している。
試行錯誤のなか、どの技術が最終的に生き残るのか、今後の経過にも注目したい。
Case3 代かき面積はゼロ!自前の投資で面積を拡げる/梶 俊忠氏(北海道岩見沢市)
梶俊忠氏の圃場では代かきは行なわない。水稲の全作付面積48haにレーザーレベラをかけて均平し、20haは無代かき移植、残り28haは乾田直播で取り組む。その他、秋小麦35ha、春小麦4ha、大豆6haと合わせて、総経営面積は93ha。労働人員は長男の俊太郎氏、次男の忠昇氏、奥さん、お嫁さんと合わせて平均すると4名になる。2台のレベラーで1日当たり4ha作業を行なう。
代かきをやめた理由は、ゴミ上げ作業をなくすためだった。均平作業のみで考えれば、代かきよりレベラー作業の方が工程は多いが、ゴミ上げ作業の手間はなくなり、根張りが良くなり、透水性も改善された。
さらに面積が増えてきたため、無代かき移植から乾田直播に取り組み始めたという。梶氏は「コストを比較すると、種もみや除草剤散布、追肥に関しては変わらないが、育苗ハウス、育苗箱、育苗管理の分だけ乾田直播の方が安く上がる」と話す。
直播品種「大地の星」は食味がいまいちなのでブレンド米や冷凍食品向けに商系の米卸に出荷する。岩見沢市内や札幌向けの直販には向かないので、無代かき移植で「ななつぼし」や「ゆめぴりか」などを作っている。だが、広い倉庫内に田植機の姿はない。新しい8条植えを購入しては、田植作業が終わると下取りに出し、毎年更新するためだ。
秋は天気が長続きしないので、プラウをかけられる面積は少なく、サブソイラとスタブルカルチをかけて春作業への負担を減らす。水はけの悪いところは畑にして、田畑輪作を行なっている。自宅近くの30ha弱に加えて、圃場は6~7km離れた地域も分散。水系は3つだが、用水の支線組合が7つにまたがる。
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