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【海外レポート】
Agritec2012&イスラエル農業訪問記 最終回 砂漠農業は環境負荷が低く持続性が高い
- 有限会社川田研究所 取締役 川田肇
- 第4回 2012年09月14日
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土壌病害リスク回避が日本農業の方向性
一方、日本の土耕栽培では連作による土壌病害で土壌消毒をするのが当たり前になっている。特に薬剤を使用しての土壌消毒は菌の種類の低下、菌数の低下、耐性菌の出現などをもたらし、環境破壊につながるだけでなく、生産者自身の身体への負担も極めて高い。しかし、土壌病害が蔓延した土壌では作付品目を変えること以外土壌消毒に頼るしかないのが現状である。今後、ますます農業生産には環境への負荷を減らすことが求められることは間違いない。そういった意味では一つの方策として養液栽培などを組み合わせて(もうすでに始められている農業経営者は多々いるが)土壌病害のリスクをなくしていくことは重要ではないかと思った。
最後に、養液栽培の栽培技術に関しては様々なセンサーを利用して省力化を徹底している今回のイスラエル農業の視察はとても有意義であった。ただこれまで日本の農業は手を掛けることを惜しまずに高品質な農産物を作ってきた歴史があり、何でも自動化していく農業に一抹の寂しさを感じたことも本心である。
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川田肇 カワダハジメ
有限会社川田研究所
取締役
1966年東京生まれ。筑波大学大学院物理工学修了。高エネルギー物理学研究所(現高エネルギー加速器研究機構)非常勤研究員後、川田研究所に入社現在に至る。工学博士。
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