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【海外レポート】
オランダ農業視察ツアー訪問記 第1回 今後の人生の考え方と方向性を見出すことができた。
- 編集部
- 第1回 2012年10月12日
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全国高校野球選手権大会の某地方大会決勝、「疑惑のホームラン」があった。打者によって打たれたボールは、3塁側のホームランポールの左を飛んでいく。しかし、判定はホームラン。打たれた守備側の選手は、当然抗議した。それを半身片手で「ハイハイ」とあしらう主審。この時代なのにビデオ判定もしなければ、中継するテレビ局もVTRを流そうとしない。その後おとなしく審判の判定に従い、試合を再開する選手たちを、「美しきスポーツマンシップ」の姿として捉えるかのような実況、解説。その美しい姿に、拍手でも起こりそうな球場の雰囲気。
ここに、「4者」の存在がある事を確認しておく。ピュアで、「常識」を疑う余地を与えられる事すら無く、組織に従う球児。疑われる事を嫌い、自らを正当化する審判。地元の人々を過剰なまでに保護・美化する、地方のメディア。そして、流れて来た情報を鵜呑みにする傍観者。一体、戦時中の戦争教育と何が違うのだろうか。残念ながらこれは、現在2012年に起こっている事であり、野球ばかりでなく、高校教育、農業・農村問題と、いろいろなストラクチャーの中で、この「4者」が存在する。さらに、状況をこじらせるのは、各々が正しいと思って疑わないところにある。
結局、5対3で負けたチームは、その疑惑の3ランホームランが無ければ自分たちが甲子園に行けたのだ。それでも、「正々堂々戦ったので悔いは無い」などと言うのは、「日本の食料を守っているんだから仕方ない」と嘆くのに似ている…。
ずっと、この「農業経営者」のような本を待っていた。今まで農業は、どうしても暗い産業だとしか考える事が出来なかった。聞こえてくる情報をバカ正直に信じていたのだ。大学の研究調査で農家、農協、政府に話を聞いても、論文雑誌を読んでも、世界の終わりのような雰囲気である。そこで、去年の冬に論文検索サイト「CiNii」で偶然にも「農業経営者」の存在を知り、購読してみると革命的な雑誌だと感じ、自分がこのツアーに参加したらのなら、どんな考え方に変わるだろうかということに興味があった。
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