ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

岡本信一の科学する農業

夏場のホウレンソウで生存率を上げる方法

夏場のホウレンソウの調査で判明したのは、堆肥投入の有無や土壌EC(以下EC)による影響だけではない。土壌の物理性も発芽やその後の成長に関与することも分かった。

 圃場Cのデータ(表1)を見ていただきたい。ここでは株間の違いと堆肥投入の有無を複合的に調査した。堆肥の有無による影響は、前月号で紹介した結果と同様になると思われたのだが、実際は違った。圃場Cでは、むしろ堆肥なしの試験区画の方が発芽率も生存率も悪い。

 ECを見てみても、堆肥を投入した区画の方が高くなっており、この結果だけをみると、こちらも全く正反対の結果だ。つまり、ECだけで発芽率や生存率を語ることはできないということになる。

 では、次に土壌pH(以下pH)を見てみよう。圃場Cの各区画における生存率とpHの関係を相関図にしてみると明確な傾向が現れた(図1)。pHが高いと生存率が高くなり、pHが低いと生存率が低くなっている(危険率2%で相関あり)。

 他の圃場(A・B)では、pHとの関係は見出せていないが、この圃場のpHの分布が6.3~6.9と幅広いからなのだろうか? それともホウレンソウは比較的pHの高い土壌を好むことで知られているが、そのためなのだろうか?


生存率を上げるためには土壌は硬めの方が良い

 しかし、土壌硬度計で測定したデータを見て驚いた。まず図2を見ていただきたい。これは縦軸が土壌の深さを、横軸が硬さを表している。硬さは土壌が硬ければ硬いほど大きな値を示す。

 最も硬い区画で最も生存率が良く、次に硬い区画が続き、生存率が悪い2つの区画は軟らかい。

 これだけでは、たまたまかもしれないということで、圃場A・B・Cの中で、最も生存率が良い区画と、最も悪い区画の土壌硬度を比較してみた(図3)。見ていただければ分かるように、圃場Cの最も良い区画は突出して土壌が硬かったが、生存率の悪い区画は、全体的に軟らかい傾向にある。圃場Cの生存率の悪い場所は、表面から深さ10cmまでの土壌の硬さが最も軟らかい。

 どうやら、土壌の物理的条件と生存率には関係がありそうである。土壌の水分を測定していなかったのは残念だが、次のことが推測される。

関連記事

powered by weblio