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【“被曝農業時代”を生きぬく】
福島県いわき市ブランドの仕掛け人“世界一”の放射能検査体制を築き、営業攻勢をかける
- 編集部
- 第15回 2012年10月12日
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直接取引が増加
震災と原発事故では大きな打撃を受けましたが、トマトの安全性のPRをした結果、直接取引は震災前よりむしろ増え、その分の売り上げは増えました。
また、震災をきっかけに、栽培のシステムを見直し、生産量や品質向上を目的に設備投資をしました。おかげでトマトの栽培は順調です。生産力も上がり、味もよくなりました。季節ものの農産物と違ってトマトは年間を通して出荷できるのが強みです。トマトの売り上げにともなって、露地物のパプリカやイチジク、ブルーベリーも売れて、会社の業績が上がってきました。
検査をするのが当たり前
福島県の農産物は風評被害にずっと悩まされているので、出荷前に放射能検査をするのが当たり前だという風潮があります。福島県では、県のモニタリングとJAの検査を行っているので、農産物は二重に放射能検査を受けています。私たちは、それらの検査に加え、民間の検査も行っています。そこで、とまとランドのトマトは三重もの検査を受けていることになります。
いわき市では、農家と連携して昨年10月から「いわき農作物見える化プロジェクト“見せます!いわき”」を行ってきました。農産物の放射能検査の結果や生産の履歴を店頭やウェブサイトで見ることができるようにしたものです。プロジェクトのCMを首都圏に流したことなどもあり、農産物の検査は当たり前、いわきのトマトは安全だという認識が消費者に広まってきました。
でも、バイヤーやスーパーの経営者の意向はまちまちです。放射能アレルギーのバイヤーがいれば、取引をしてくれません。その傾向は西に行けば行くほど強く、関西では、被災地の農作物などは眼中にはないようです。関東ではそんなことはないのですが、それでも百貨店との取引はまだ再開できないです。いくら消費者の意識が変わっても、取引できなければ店頭にトマトが並ばないのですから、消費者の口にトマトは入りません。
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