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特集

レストランとコラボする 後編 取引を伸ばすための工夫と発見


 もしかしたら、野菜が料理の主役になる場合と脇役になる場合では求められる品目と品質が違うのではないか。これまで主に扱ってきたベビーリーフは、サラダのなかでの圧倒的な主役だ。でも、ミニトマトや他の野菜は肉の付け合わせだ。付け合わせに求められる品質と主役に求められる品質は違うということに気づいたのだ。

 ここからが松井さんの真骨頂なのだが、料理のことを知らなければと思った松井さんは、 「飲食店を自分で持とう。店を持つんだったらこれまで自分にとって一番縁遠かった店を持とう。それはフランス料理店やろ」と考えた。

 もともと素材を活かすイタリア料理が好きだった松井さん。フランス料理はあまり親しんでいなかった。それがフランス料理店を自分でやろうと思って勉強を始めたことで、料理のことがわかるようになり、フランス料理店に営業がしやすくなったという。今はもう自分でお店をやらなくても良いのだが、まだまだ料理の世界を知りたいので、フランス料理店の計画は進行中だ。

 「レストランは実験場。レシピ開発のためという訳でもない。でも自分の店は1個持っておく必要はある。ド田舎で1軒もフランス料理店のない三国で出そうと思ってます」


case2 大規模稲作農家がシェフとコラボできる仕組みを行政がつくる

●大島 晃さん:富山県 農林水産部 農産食品課 副主幹・園芸振興係長。1983年に富山県職員として入庁、以後、婦中、黒部、富山、高岡、砺波など県内の農業改良普及指導センターの園芸を担当する。2008年から広域普及指導センター副主幹普及指導員(野菜担当)、2011年から現職。

【野菜産出額最下位脱出のために】

 「富山県の野菜産出額は全国最下位、それもダントツ。せめて下から二番目まで上げるのが目標」

 富山県で30年間野菜の技術指導と生産振興に携わる大島さんの口癖だ。富山県の野菜産出額は2010年時点で約49億円と、東京都のわずか3分の1。84年以降ずっと最下位から抜け出せず、栽培技術の話をしても耳を傾けてくれる農家は少なかった。その中で大島さんは仕組みを作る仕事に力を注いできた。


【地場野菜を増やしたインショップ】

 初めに大島さんが目をつけたのがスーパーだった。富山県内には中小スーパーマーケットが共同仕入れをする卸企業があり、県内の3分の1以上のスーパーが生鮮品の80%以上をその企業から仕入れていた。そこで、大島さんはJA高岡と地元の卸企業をとり結び、2002年から地元の野菜をスーパーに出荷した。

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