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次に「マンガンの還一匹がおこります。マンガンは畑状態では黒紫色を呈した二酸化マンガン(四価のマンガン)として存在していますが、還元されると無色の水に透けやすい二価のマンガンに変化します。この還元された二価マンガンは稲の根に吸収されやすいものです。
さらに、「鉄の還元」にすすんでいきますがこの鉄の反応は、土壌の酸化と還元について最も視覚的にわかりやすく私たちに教えてくれます。
酸化状態では赤褐色の三価鉄イオンで、還元されると、青灰色の二価鉄イオンとなるので、この鉄イオンの色をみることで、作上層の酸化還元状態を知ることができるのです。ただし、火山性黒ボク土、黒泥土、泥炭土などでは地色の黒さによってこの鉄の色がかき消され識別が難しくなります。
ここまでが還元化過程第一期の変化です。この段階までなら、稲の根も障害を受けるようなことはあまりありません。またこの後の第二期に発生するような有害物質の発生も少ないのです。
還元化第二期にはいると、絶対的嫌気菌しか生きられない状態となります。そして稲の根に有害な物質もこの過程になってしまうと発生します。
その一つが硫化水素です。これは「硫酸の還元」によって生じます。この反応は硫酸還元菌という酸素のあるところでは生きられない微生物によっておこります。硫化水素は、硫黄を含わ有機物を硫酸還元菌とは違う条件的嫌気性菌の一種が還元して生成することもありますが、水田では硫酸の還元による硫化水素の発生が主です。
このため、硫酸根を含む肥料、例えば硫安や過燐酸石灰などの使用はなるべくしないよう指導されてきました。
硫化水素の発生に大変神経を使うのは、稲の根に障害を与えるためであるということは述べましたが、その時期も、稲が生育ステージで大事な穂の形成準備をするときから、登熟の頃まで、つまり盛夏の高温期に害を与えてしまうのです。
この害から守るため鉄分の客入をすることが行なわれますが、これは硫化水素を鉄と反応させ硫化鉄にしてしまい根を健康に保たせるものです。もともと鉄分の少ない、花こう岩の風化したような土では、解毒剤としての効果は大変に大きいのです。
また、この還元化過程第二期の始めは、有機物の嫌気発酵で生成する各種有機酸の集積する時期です。水田で発生するものは酢酸や酪酸で、稲の根に有害です。硫化水素や有機酸の中の酪酸などは、ドブ臭い、いやな腐敗臭がするので、誰でもわかるはずです。この第二期に達していると、酸化還元電位陥の値はマイナス0.2V以下になってきます。
還元化過程の最終段階は、作土からプクプク泡となって出てくる「メタンの生成」に至ります。これは炭酸ガスや有機酸からできます。メタンガスそのものは稲の根には無害ですし、また発生するメタンは先に述べた有害な有機酸が変化したものなので、その意味からも毒物除去となり都合はいいのです。しかし、それよりも何よりも、このメタンが発生してしまうような強還元状態にまですすんでしまうことが大きな問題なのです。この段階での団はマイナスO・3V以下となってしまいます。
また冷害の年など、温度が上がらないときは還元化かここまで強くすすんでも、有機酸のメタンヘの変化はあまりすすまないので毒物除去にはなりません。また山間地などの水田で冷たい水が入ると稲がうまくできない原因の一つになっているとも考えられます。
さらに、「鉄の還元」にすすんでいきますがこの鉄の反応は、土壌の酸化と還元について最も視覚的にわかりやすく私たちに教えてくれます。
酸化状態では赤褐色の三価鉄イオンで、還元されると、青灰色の二価鉄イオンとなるので、この鉄イオンの色をみることで、作上層の酸化還元状態を知ることができるのです。ただし、火山性黒ボク土、黒泥土、泥炭土などでは地色の黒さによってこの鉄の色がかき消され識別が難しくなります。
ここまでが還元化過程第一期の変化です。この段階までなら、稲の根も障害を受けるようなことはあまりありません。またこの後の第二期に発生するような有害物質の発生も少ないのです。
還元化第二期にはいると、絶対的嫌気菌しか生きられない状態となります。そして稲の根に有害な物質もこの過程になってしまうと発生します。
その一つが硫化水素です。これは「硫酸の還元」によって生じます。この反応は硫酸還元菌という酸素のあるところでは生きられない微生物によっておこります。硫化水素は、硫黄を含わ有機物を硫酸還元菌とは違う条件的嫌気性菌の一種が還元して生成することもありますが、水田では硫酸の還元による硫化水素の発生が主です。
このため、硫酸根を含む肥料、例えば硫安や過燐酸石灰などの使用はなるべくしないよう指導されてきました。
硫化水素の発生に大変神経を使うのは、稲の根に障害を与えるためであるということは述べましたが、その時期も、稲が生育ステージで大事な穂の形成準備をするときから、登熟の頃まで、つまり盛夏の高温期に害を与えてしまうのです。
この害から守るため鉄分の客入をすることが行なわれますが、これは硫化水素を鉄と反応させ硫化鉄にしてしまい根を健康に保たせるものです。もともと鉄分の少ない、花こう岩の風化したような土では、解毒剤としての効果は大変に大きいのです。
また、この還元化過程第二期の始めは、有機物の嫌気発酵で生成する各種有機酸の集積する時期です。水田で発生するものは酢酸や酪酸で、稲の根に有害です。硫化水素や有機酸の中の酪酸などは、ドブ臭い、いやな腐敗臭がするので、誰でもわかるはずです。この第二期に達していると、酸化還元電位陥の値はマイナス0.2V以下になってきます。
還元化過程の最終段階は、作土からプクプク泡となって出てくる「メタンの生成」に至ります。これは炭酸ガスや有機酸からできます。メタンガスそのものは稲の根には無害ですし、また発生するメタンは先に述べた有害な有機酸が変化したものなので、その意味からも毒物除去となり都合はいいのです。しかし、それよりも何よりも、このメタンが発生してしまうような強還元状態にまですすんでしまうことが大きな問題なのです。この段階での団はマイナスO・3V以下となってしまいます。
また冷害の年など、温度が上がらないときは還元化かここまで強くすすんでも、有機酸のメタンヘの変化はあまりすすまないので毒物除去にはなりません。また山間地などの水田で冷たい水が入ると稲がうまくできない原因の一つになっているとも考えられます。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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