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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座水田の土その2

 以上、還元化の進む過程を説明してきましたが、湛水された上が、単に時間的経過を経るだけで強還元化かすすむものではありません。易分解性の有機物が存在して、それに嫌気性菌が働きかけて進行していくものです。


【栽培体系の調査方法】

 では、これからこの基礎知識をもとに現在の水田作業栽培体系を検討していきます。まずトラクタの大型化による弊害、それもホイールトラクタのタイヤで水田が踏み固められていること。

 この「踏圧増大」は、水田の水が縦に浸透していくことを妨げています。かつては本の浸透がよすぎたザル田も、大型ホイールトラクタを何年も走らせていると様子が変ってきます。

 これを調べるには、田植後、水の出入りを止めて、24時間にどのくらい水位が下がるかを測定します。つまり減水深が何ミリかを測ります。この値が20~30mmなら適正値です。これより値が小さい場合は、サブソイラや暗渠排水に心掛ける必要があります。

 そして次に問題点としてあげられるのは、ロータリ耕による「浅耕化」です。現代の水田は浅くしか耕していない。これは昔の人が”土一寸米一石”といった教えに逆行しているものです。稲は幼穂形成期という大事な時期に18cmの耕土が根を伸ばすために必要なのです。

 その次は「過剰代かき」です。稲のことを考えた代かきとは、お菓子にたとえるとおこし状ということですが、現実はヨウカン状が多いのでしょう。つまりトロトロにしてしまっているということです。

 この原因は圃場整備により大型圃場となり、これが長年を経て均平ではなくなってしまい、このため何度も機械をまわしてやらないと平らな代が仕上からないことも一因ではないでしょうか。また、高速田植機の求める代の状態をヨウカン状と誤解しているのではないかと思います。いずれにしても、表面は細かく、その下は粗い理想的な代かきに心掛けるかどうかということになります。

 さて、4番目に注目することは「生ワラ施用」です。かつて東北地方でワラを焼くことが問題となりました。堆肥にして田に戻すことなどできないから出稼ぎに行く前に処分してしまうということでしたが、今では生ワラは短くカットされ田に戻されています。これで地力問題解決としてよいのかということです。

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