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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座水田の土その2

 コンバインによる生ワラ施用のはじまった40年代後半と現在では水田の状況がずいぷんと違っています。つまり、「踏圧増大」に水の縦浸透の減少、「浅耕化」「過剰代かき」この悪条件の中に生ワラが施用されると夏期に強還元化か進んでしまうということです。酸化還元電位陥ボルト値が低下しているということです。

 強還元が有害な硫化水素や有機酸を生ずることは説明しましたが、これに一発処理タイプの「強力な除草剤」が微生物相を破壊して、生ワラ分解に弊害を与えていることも加わっています。

 この悪い環境にさらに、稲の根からは排泄物が分泌されることも考えに入れなくてはいけません。排泄は動物だけでなく植物にもあるのです。農業は植物を強制的に群落にして行なうものなので、この群落内の排泄物ストレスは大変なものです。稲は元来、沼地の植物であり、泥沼の還元化に耐えられるような根の構造と酸化力によって、この還元化という攻撃に対して防御する力を持ってはいるのですが、それには限界があるということです。

 大型機械を組み合わせた水田作業体系、これが稲にとってどんな人為的障害を与えているか水田土壌のEhボルト値に少し気を使ってみる必要がありそうです。(図表:「田畑の微生物たち」渡辺厳著、農文協刊)

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