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海外レポート

オランダ農業視察ツアー訪問記 第2回 日本のものづくりの精神とオランダの生産技術の融合を模索する



 最終日に、有機栽培のトマトハウスに視察ができた。ここでは有機栽培なので農薬などは一切使用していないが、それでも収量は10a40t。

 実際に肌で感じたことは日本のように暑い夏がなく日本でいう春から梅雨前のもっとも栽培しやすい気候が夏中続き、寒さは厳しいが天然ガス資源が豊富なためエネルギーコストが日本のように高額にはならず、環境制御における技術と合せてトマト栽培に適していると感じた。

 この農場は有機にも関わらす、ハウスの天窓などに防虫ネットなどは張られていない。山や森が少ないので害虫の飛来も少ないのではないか、また湿度も低いということで病気の発生も日本に比べれば少ないのではないかと予想した。

 そうした環境の利があるにせよ日本の倍以上の収量で常に技術革新が行われているオランダ。品種開発でも弛まぬ研究開発行われているようで、視察したトマトは日本の大玉トマトと中玉トマトの間くらいの房獲り品種で果重は130gくらいで一房にほぼ6果着果していた。

 節間が短く、全ての段にきれいに着果していて作業効率も良くなるようにトマトの高さもきれいに揃っている。

 技術面ではオランダの農家は施肥から農薬に至るまで民間のコンサルティング会社が指導を行っていている。

 日本では何か困ったときにはJAや普及員に頼り、お金を払って指導してもらうということはあまりないが、オランダでは当たり前。お金をもらう以上はコンサルティング会社も、いかにして農家を儲からせるかということに必死になる。

 フードバレーや国を挙げての革新やこうした背景がオランダ農業を強い産業へ導いている要因だろう。

 スーパーマーケットでトマトを買って試食してみた。色や形、ミニから大玉までバラエティーに富んだトマトが陳列されていたが、味にはそれほど差は感じられず単に品種の違いのようだった。

 視察先の農家では高収量だが有機栽培でも単価はkg1ユーロほどだという。

 高品質なものを目指せば生産量は下がるが、単価は日本では高い。単に大量生産するだけならばオランダ農業を参考にしていけば良いのかもしれないが、日本のものづくりに対するこだわりは決して捨てたくない。その上で良い商品をたくさん生産していく方法を模索していきたい。

 しかし今までのように経験と感だけでは、農業を発展させるには難しい。オランダやイスラエルのような農業と日本の良い部分を融合させていけば、日本の農業は世界で活躍できるのではないかと思う。

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