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【岡本信一の科学する農業】
作物体中の硝酸態窒素を減らすために何が必要か
- (有)アグゼス 代表取締役社長 岡本信一
- 第13回 2012年11月14日
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硝酸態窒素の危険性は過大に騒がれている!?
インターネットなどでは、最近とみに硝酸態窒素の危険性を、ことさら化学肥料の使用による硝酸態窒素の危険性を煽っているものも見受けられる。特に多いのは、有機栽培など栽培過程で化学肥料を使わなければ作物体中の硝酸態窒素が少ないと謳っているものだ。しかし、化学肥料を使わなくても作物体中で硝酸態窒素は増えるし、化学肥料を使わないからといって、硝酸態窒素が低減されるわけでもない。全くの誤解である。問題は、化学肥料を使うか否かということではない。
ウィキペディア(インターネット上にあるフリーな百科事典)でも明らかな間違いが書かれている。「硝酸態窒素」を検索すると、このように書かれている。
「植物は硝酸態窒素のみしか、根から吸収して利用できないため、窒素固定菌がいない環境では生育できない。これを補うため、窒素肥料の中には硝酸態窒素が大量に含まれている」
大部分の作物は、硝酸態窒素を好んで吸収するが、水稲、茶などはアンモニア態窒素を好む。また、多くの肥料は硝酸態ではなくアンモニア態や尿素などの形で窒素が含まれていて、むしろ硝酸態窒素の含まれている肥料の方が少ないくらいだ。
ウィキペディアの間違った記述を多くの方が参考にし、間違った情報を鵜呑みにしているのではないかと思う。そこで、今回は農業者として作物体中の硝酸態窒素低減のために何が必要なのかを書いてみたい。
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岡本信一 オカモトシンイチ
(有)アグゼス
代表取締役社長
1961年生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業後、埼玉県、 北海道の農家にて農業研修。派米農業研修生として2年間アメ リカにて農業研修。種苗メーカー勤務後、1995年 農業コンサ ルタントとして独立。 1998年(有)アグセス設立代表取締役。農業 法人、農業関連メーカー、農産物流通企業、商社などの農業生 産のコンサルタントを国内外で行っている。講習会、研修会、現地 生産指導などは多数。無駄を省いたコスト削減を行ないつつ、効率の良い農業生産を目指している。 Blog:「あなたも農業コンサルタントになれる」 http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/
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