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今年の市場相場を読む

冬に向けての露地野菜類 キャベツ、ハクサイ、ダイコン、ネギ

今年は、春までの野菜相場は堅調に推移したものの、夏場には猛暑といっても日照に恵まれ、前年の好調販売を受けての面積増も手伝って、関東、東北産地は豊作基調。相場は8、9月だけでなく、10月まで暴落商状となった。播種期に当たる9月も残暑で、一部品目で秋以降の作柄が心配されているが、これから冬に向かって西南暖地に産地移動をする果菜類はともかく、関東、東海などの露地野菜の動向が気にかかる。夏秋野菜の残量と冬春産地の出荷が重なる時期であり、品目によっては作型の狂いや産地移動がうまくいかないなど、残暑、暴落後の後遺症が出るものもありそうだ。

キャベツ 夏の暴落基調を受けて冬も低調か。契約が増える一方で需要喚起必要

【概況】

東京市場のキャベツは、今年は春までの愛知産が好調販売で推移した後、千葉産を経て夏の群馬産の時期に豊作で暴落商状となった。10月になっても群馬産の残量が多く、前年比でも単価は50%を割った。これから冬に向けて産地は千葉、神奈川から愛知に移ってくるが、相対的に荷もたれ感が強く、相場浮上は難しい。極端な冷え込みなどがない限りケース500~600円中心の推移が精一杯。

【背景】

この夏、加工業務用を中心に産地契約をしていた流通業者は軒並み大赤字になっている。製品単価、メニュー単価が決まっているはずの加工業務需要だが、市場相場が暴落すると契約があるにもかかわらず、値下げ要求をしてくる。産地には約束どおり支払わない限り、契約継続ができないため、流通業者は“腹を切る”ことになる。高ければ産地から、安ければ需要者から要求が出てくるのだから、契約は難しいものだ。

【今後の対応】

国産対応はそうしたリスクがあるため、カット野菜業者などは一定量の輸入原料を常に確保している。キャベツの産地契約は、数年前から盛んに行なわれるようになっているが、それでも毎年3~5万tの輸入があるのは仕方ないかもしれない。差別化商品が少ないキャベツも最近、「雪下キャベツ」が人気を集めており、お好み焼き専用品種という発想も出てきた。一般需要の再発掘と消費の底上げが不安定な国産への抜本対策につながる。

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