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【日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識】
大麻取締法における栽培免許とは?
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第1回 2012年12月14日
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6.栽培目的、使用目的を記載した栽培計画書、販売計画書
7.大麻草を抜き取った後の繊維と種子以外の物の処分計画書
申請書には、栽培目的を書く欄があり、(1)繊維採取または(2)種子採取のどちらかを選ばなければならない。繊維採取は、密植栽培であり、種子採取は株間を空けた栽培で全く異なるので、それを考慮しなければならない。両方利用したい場合でも主目的の方を書いているケースがほとんどである。最も重要なことは、麻を農作物として栽培し、加工し、販売するという一連の流れを考えて事業計画を立てられるかどうかがポイントとなる。また、行政側は必ず「なぜ輸入原料を利用せずに、国内で栽培しなければならないのか?」ということを聞いてくる。県の薬務課とは、地産地消とか農業で地域活性化という視点がないため話が噛み合わないこともしばしばある。
過去に新規に免許を取った事例をみると、行政当局と粘り強く交渉して「不許可にする理由がないので免許を出さざるを得ません」となっている。筆者が所属している大麻草検証委員会では、大麻栽培者免許を取得するためのセミナーの開催やサポート事業をしている。これまでの経験では、当局との交渉は一人で行なわず、その地域で麻栽培に関心のある仲間を募って集団交渉することが有効だろう。
麻が普通の農作物として認知されるには時間がかかるかもしれないが、日本の伝統を守り、次世代のためにも新たな挑戦をする人が少しでも増えることを願っている。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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