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私は地区のJA理事にもこの二毛作を行なう旨を伝え、理事からは麦後なので時間的、施設的に出来る者と出来ない者がいるのは、仕方がない云々と会話を交わすことになった。では現場ではどうだったのか? 大変でした。8月20日までにソバを播種しないと十分な生育が得られないので、8月上旬の麦収穫後に麦稈をロールにして除草剤を散布。5日ほど効果を待ってプラウ耕、すぐに整地してソバを播種できたのは8月18日。よって目の前の国道274号線では、お盆休みで渋滞する車の中でニタニタする若いカップルをよそ目に、自分は墓参りの4時間を除いて休みなし。ソバを後に収穫すると翌年の麦の収穫時に、コンバインからソバが混入する恐れがあり、食品衛生法施行規則、別表第5の2による特定原材料に指定されているソバ・アレルギーの原因を作っては大変なことになるので、ソバを先に収穫して、その後大豆を収穫することにしました。組み換え作物の安全性を騒ぐよりも、現実はソバ、小麦、ピーナッツ、大豆などのアレルギーが生命そのものを危険にさせることを忘れてはいけないのだ。
播種前契約は1俵/45kgで行ない、現実もそのようになった。では収益を見てみよう。
ソバを栽培することで15万円/haと収量に応じて交付単価(交付金)が設定され、1等品位だと1俵/45kgに1万6870円とソバ自体の価格が加算されます。収益は31万円/ha×51haになりますが、ここで恐ろしいことが起きたのです。売買されるソバは8月に5000円/俵くらいでしたが、11月上旬の段階で800円に暴落してしまい、もしかすると12月には600円までに落ちるのではないかと言われています。原因は? どうもミヤイが悪いらしいです。地元では突然200haもソバの面積が増えたので、市場が暴落した? 確かに消費されるソバの80%は国外で作られ、11月の時点ですでに輸入されたものが多く出回り、追加のおまけ国産ソバは安全・安心なのだが、一杯の原価が3円でもマーケットからはいらないよー、と判断されたのだ。
ミヤイはズルイヤツ?
では来年、長沼でソバ作りを目指す生産者は飛躍的に増えるのか? 答えはノーだ。なぜなら、収穫期は稲とはかぶらないが、全国一の産地である大豆収穫とドンピシャ重なる。よってソバ専用の乾燥施設を持たない生産者は大豆の乾燥中、ソバの収穫はできないし、逆もそうなる。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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