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今年の市場相場を読む

不況下で野菜が受ける影響 チンゲンサイ、ナノハナ、モロヘイヤ、ミズナ

我が国は、バブル経済崩壊後に長く不況が続いた後、リーマンショックに遭遇。それぞれ一時は底を打って持ち直す感があったものの、今度は大震災が勃発した。この十数年の間にトリプルパンチに見舞われている状況なのだ。消費者の購買意欲は低下し、購買行動そのものにも変化が現れている。そんな経緯のなか、野菜の生産、流通にも当然のことながら変化がみられるのだが、不況の影響をモロに受けたものがある反面、比較的持ちこたえているものもある。その影響の程度の差は、品目別に需要構造がどう違うのかに関連しており、生産側としてはその原因を個々に精査しておく必要がある。

チンゲンサイ 業務用中心だが家庭用は需要減か。ミニタイプで新たな展開も

【概況】

東京市場のチンゲンサイの入荷は、夏場にやや減るが、年間を通じて安定している。主産地は7割近いシェアを持つ茨城で周年型のハウス栽培である。業務用が7~8割いわれる底堅い需要構造だが、長引く不況下で需要は漸減ぎみ。特に昨年の大震災後の一時期に入荷を大きく減らした。この年は03年対比で15%程度の入荷減も、今年は回復基調にある。ただし、今年の夏場は野菜安と連動して単価を下げている。

【背景】

チンゲンサイは、昭和50年代に新野菜として成長し、業務用では定番となるとともに、家庭での需要もついていた。施設栽培で単価も安定しているため、露地野菜が暴騰しても比較的値ごろに収まっているからだ。しかし、不況下で購買意欲が低下すると、なかなか選択してもらえない品目でもある。昨年の震災後については、業務用の需要減だけではなく、いわゆる“北関東産”の軟弱野菜に対する消費者の敬遠感が影響している。まさに“風評被害”だ。

【今後の対応】

チンゲンサイの不況対応としては、まずは底堅い業務用需要をベースにしつつも、一般家庭需要をどう喚起していくかにかかっている。最近増え始めたミニ・チンゲンは、使い勝手も良く、食味も軟らかい。いため物や煮物、味噌汁の具などに“ちょい足し”感覚で使わせたい。大株物が中心の業務用でもミニ・チンゲンの利用頻度が増えている。肥大前の若どりしたもので「ミニ5株入り198円」といった価格帯の商材はどの産地でも生産可能だ。

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