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今年の市場相場を読む

不況下で野菜が受ける影響 チンゲンサイ、ナノハナ、モロヘイヤ、ミズナ



【今後の対応】

東京市場での入荷が年間400t程度しかないのだから、全国ベースの流通量はせいぜい3000t程度のものだ。しかも、消費者はほとんど食べてくれない。ただし、生産者にとっては、夏場にはキロ500円もしない相場ながら、冬場には2000円を上回ることもある魅力的な“商材”だ。不況とはいっても、小売店の品揃え意欲が強いから高くなるため、この単価の高い時期に、換金作物と割り切って生産を導入する産地が増えてもいい。

ミズナ 値ごろ販売可能で伸長。低コスト生産でさらに常備野菜化を

【概況】

東京市場のミズナは、春にやや増え、夏にやや減る傾向があるものの、年間を通じてコンスタントに入荷している。主産地は8割以上を占める茨城。今や小松菜やニラなどと肩を並べる代表的な軟弱・葉物野菜になっており、用途的にはシュギクの需要を“食って”伸びてきたといわれる。一昨年は夏の猛暑で、昨年には震災などの影響もあって入荷量が減る傾向にあったが、今年あたりからようやく回復の兆しが見え始めた。

【背景】

成長要因は、あっさりして独特の食感が消費者に受け、クセの強いシュンギクから需要がシフトしたからだといわれるが、それだけではない。この不況下で、束・パック単価が高いシュンギクから、安いミズナへのシフトという側面も見逃せない。特に近年は減り続けたために単価高になったシュンギクはキロ500円以上するが、施設栽培のミズナは数量が安定しているとともに、値段も300円台である。200gで100円売り可能な商材は強い。

【今後の対応】

ミズナの不況対応策は、昔からタマゴと並んで物価の優等生といわれてきたモヤシのように、常に値ごろの小売商材となるような低コスト生産である。この戦略の有効性は「豆苗」の低単価戦略が伸びていることでも証明されている。和洋中の料理方法に合う“万能食材”のミズナはある意味、個性がないことで支持されているのだから、食味を追求する必要はない。あとは安定供給ができる生産体制と量目調整も可能な出荷体制の整備だろうか。

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