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【今月の数字】
OECD加盟国における日本農業のエネルギー効率
- (株)結アソシエイト 代表取締役 松田恭子
- 第103回 2013年01月17日
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ワースト3位
この技術により、同国のシェールガス生産量(2011年時点)は同国内天然ガス生産の25%を占めている。同国エネルギー省エネルギー情報局は12月5日、2040年までにシェールガス生産が急増し、国内の天然ガス生産量の半分を占めるとの推計を発表した。
シェールガスのメリットは、発電コストの安さだ。1kW当たりのコストが、石油10円、風力20円、太陽光42円に対し、シェールガスは6円。しかも、CO2排出量は石炭に対し40%、石油に対し15%も少ない。埋蔵量は少なくとも同国の国内需要量の150年分、実際には300年以上分もあるともいわれている。
一方、シェールガスの採掘が環境汚染を引き起こすという指摘も多い。シェールガスを取り出すには、化学物質を添加した大量の水を500~1000気圧かけて地下に送り込み、ガスが存在する地層にヒビを入れる。一つの坑井に多量の水が必要であり、水の確保が重要となる。また、添加される化学物質には有害物質が含まれており、地下水の汚染による人体・環境への影響が懸念され始めている。さらに、CO2排出量は少なくても、二酸化炭素の21倍の地球温暖化係数を持つメタンが90%を占めていることから、温室効果に与える悪影響は石炭や燃料油よりも強いという研究結果も報告されている。このため、欧州最大のシェールガスが埋蔵されているフランスではシェールガスの開発を許可しておらず、アメリカにしても、環境問題を無視してシェールガスだけで50%近くの天然ガス需要をまかなうのは難しいのではないかとみる向きもある。環境問題が生産技術の発展や最先端技術の活用によりどの程度克服できるのかは未知数であり、今後の生産量の伸びはまだわからない。
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松田恭子 マツダキョウコ
(株)結アソシエイト
代表取締役
日本能率協会総合研究所で公共系地域計画コンサルタントとして10年間勤務後、東京農業大学国際食糧情報学科助手を経て農業コンサルタントとして独立。実需者と生産者の連携の仕組みづくりや産地ブランド戦略を支援している。日本政策金融公庫農業経営上級アドバイザー試験合格者。(株)結アソシエイト代表取締役。
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