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【日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識】
大麻草の品種とTHC(マリファナ成分)
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第2回 2013年01月17日
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大麻草(以下、麻で統一する)は、学名でカンナビス・サティバ・エル(Cannabis sativa L.)と名づけられている。これは、植物分類学の父といわれるスウェーデンのウプサラ大学のリンネという博物学者が、1753年に「植物の種」を発刊したことに由来する。植物学名上の分類では、茎の形態の違いによって、カンナビス・サティバ・エル(Cannabis sativa L)、カンナビス・サティバ・インディカ(Cannabis sativa indica)、カンナビス・サティバ・ルーディラス(Cannabis sativa ruderalis)に大別されていた。ただし、今日の生物分類学では、遺伝子解析による分類でアサ科アサ属の一属一種で、ここで紹介した3つの植物学名は参考程度となっている。
麻の話の中では、よく“カンナビス”という言葉が出てくるので知っておいても損はしないだろう。例えば、 帆布やテント生地、絵画用画布などに用いるキャンバス(canvas)といえば、綿または亜麻などの繊維で織ったキメの粗い布地を指す。この語は、もともとラテン語で麻を意味するカンナビス(cannavis)から生まれたもので、当時は麻が使われていたのである。
麻の品種には薬用型と繊維型がある
麻には、薬用型、中間型、繊維型の3つの生理的な違いによる品種がある。この違いは、THC(デルタ‐9 テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)の2つの化合物の割合で決まる。THCはマリファナ効果のある化合物である。薬用型は、THCが2~25%含まれ、CBDをあまり含まない。中間型は、THCとCBDが同じくらい含まれるが、作用としては、THCに支配される。繊維型は、CBDがTHCよりも多く含まれ、THC含有量も0.25%未満の品種である。CBDには、THCの精神作用を打ち消す働きがあるため、繊維型を煙にして吸い込んでもいわゆる「ハイ」な気分にはならない。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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