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日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

大麻草の品種とTHC(マリファナ成分)



日本産の麻に含まれるマリファナ成分

 昔から日本一の麻生産を誇る栃木県の麻農家の間では、収穫時に長時間作業すると「麻酔い」があることや夜泣きする赤ん坊を麻の畑に連れていくと落ち着くということが経験的に知られている。しかし、実際にどの程度の成分が含まれていたのだろうか。

 日本産の麻に含まれているカンナビノイドの代表的なTHC含有量に関する研究によると、本州の在来種のTHC含有率は0.08~1.68%であった。麻の来歴を調査した西岡五夫氏の研究によると、日本産の麻は繊維型であるCBDA種であったことが報告されている。

 麻の栽培で「むらさきっちょ」と呼ばれる茎が赤紫色のものは、繊維質が悪いことが知られており、それを発芽してしばらくしてから間引く。実はこの「むらさきちょ」はTHC濃度が少し高いもので、現在の高度な分析機器がなくても昔からTHC管理がうまく栽培技術の中で機能していたのである。    

 現在、栃木県では在来種の盗難被害を回避するため、無毒大麻と呼ばれている「とちぎしろ」のみを栽培している。この品種は、「栃試1号」と、佐賀県で発見されたTHC0%のCBDA種から集団選抜法により育種され、83年に品種登録された。THC含有率は0.2%で、これはヨーロッパ等で採用している産業用ヘンプの基準である0.3%未満に適合する。

 とちぎしろは県外へ持ち出しを禁じているため、栃木県以外で新規に麻を栽培したい方が入手するのは難しく、他の県ではその土地で栽培してきた在来種が栽培されている。栽培用の種子を入手するには、都道府県知事から許可をもらって大麻取扱者であることが前提となる。

 北海道では、第二次世界大戦前に国策として栽培奨励されていた経緯があった。戦後に野生化した麻が沢山生えているため、年間120万本ほどが刈り取られている。その麻は、70年代の研究によるとTHC含有率が0.2~5.73%とバラつきが大きいものの、他の日本産の麻と比べるとやや高い傾向にある。精神活性作用をもたらすにはTHCが2.5%以上含まないと効果がないことから、日本の在来種の中にもマリファナ効果が期待できるものはあるが、海外で医療利用されているTHC8~25%の品種と比較するとかなり低濃度であることが分かる。

 ちなみに、麻の実、麻繊維、繊維をはいだ後の茎の芯材である麻幹(オガラ)からは、ほとんどTHCが検出されないので、喫煙してもマリファナ効果は全く得られない。

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