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未来思考の農業IT 農機オタクのおもちゃで終わらせないために

圃場管理システム(1)



システムを選ぶ基準はあくまでも農家がどこまでのデータを取りたいか次第だと思います。農業簿記ソフトはあくまでもお金の流れだけを記録しているものなので、肥料や資材などの物の動きを管理できません。つまり「●月●日にどの圃場にどのくらい使った」というところまで圃場毎に管理する必要があるかどうか。この段階で、農業簿記ソフトだけで良いのかが決まります。農作業日誌であれば、●月●日にどのくらい使ったという帳票レベルの在庫管理はできますが、圃場毎の作業については、ユーザーが意図的に入力する必要があるでしょう。圃場管理システムだと、地図上で圃場の作付を色塗りをして管理できます。

――吉田さんが開発したシステムはどういったものですか?

「PMS」という作業計画・管理支援システムです。GIS(地理情報システム)互換の圃場地図を使って農作業の情報を視覚的に管理することができます。あのデータを取りたい、このデータも取りたい、というパワフルな農家にも対応できるように、一般的な概念としての土地利用型農業の生産工程管理で必要な項目を入れているつもりです。農業生産工程管理システムとして、地図上の圃場を複数カラーで色分けしたり、一覧形式のデータ表示・編集したりという機能が備わっています。ユーザーからの意見を聞いて、新しい機能をシステムに追加することもしばしばです。


【データ化する努力とその意味】

――データとして残しておく意義を教えてください。

一つは今、走っている経営の中で情報共有するための道具として、しっかり使うことです。一シーズンが終わってから1年の作業を振り返ったり、前年度のデータをもとに来年の作付計画を立てたりできます。特にマップを使ったシステムの場合は、今年の作付状況を見ながら次年度の作付圃場をマップ上で決めていくといった使い方ができます。

もう一つは、データを残しておけば、後継者や従業員といった次の世代にそれを見せることで勉強してもらう教材として使えるということです。これまで手取り足取り技を教えてきた、家族経営のノウハウのようなものも、言葉で伝えたり、実際にやって見せたりして技術を伝承する時間が限られています。それも元気なうちに記録データをきちんと残しておけるのです。それも手書きの日誌ではなくて、映像やデータとして残しておく。この考え方は欧米の方が進んでいて、日本は遅れていますね。


――実際に、どのような作業が必要でしょうか?

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