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まず、情報化するためにはデータ化するという努力をしなければいけません。情報を入力してデータ化ができていれば、画面を見て共有するとか、スマートフォンに配信してリアルタイムに離れたところでも見られるという使い方ももでき、その農場の武器にもなります。
――データ化する努力というのがポイントになりますね。
頭の中でやっていることをデータにして残せるとしたら、かなりの割合で楽になりますが、それをやるかやらないか。「自分はまだやりたくない」という方には、先進的に導入されている事例を見にいくことを勧めます。今はコンピュータの画面でお互いに情報交換をしていますが、それぞれのスマートフォンに情報が送られるようになりますよ。
――クラウドを利用したシステムも増えていますね。
そうですね。クラウドシステム側が必ず気を付けなければいけないのは、オープンにできることと、絶対クローズにしておかなければいけないことをしっかり分けておくことです。そうでないと、経営者さんはデータを預けられないですからね。経営者は要するにお金に関わるデータは自分のところに置いておきたいと考えているので、なかなかクラウド上に持って行きたくないという意識があります。したがって会計と生産は二重の管理になっています。これらを一本化するソフトウェアというのは、まだすぐにはできないと思います。
――若い農業経営者も情報をオープンにすることに抵抗する傾向はありますか?
インターネットに慣れている世代は意外と情報をオープンにします。例えば、Facebookなどに情報を公開していますが、反対に本当に危なくないのかという懸念があります。自分が発信している情報の価値をきちんと判断して出すという癖がついていないので、裏を返せば深く考えずに出しているのです。卑近な例としては、顔写真や居場所が特定される情報やデジカメのGPS情報がついているものを載せていますよね。農業の技術だとか自分の農場のノウハウ的なものも同じように出してしまうのですかという問題です。小出しにする分には良いのです。作目によっても事情は異なりますが、情報をどういう風に使うかという戦略が重要になります。
――情報を発信しましょうという流れに逆行するようですが……。
そうですね。ただし、誰もケアしてくれませんから、自己責任の範囲で発信しなければいけないのです。既に農場のデータを蓄積してきた方の中には、「10年分の経営データが高く売れるかもしれない」という発想を持たれる方もいます。ノウハウの詰まった先進事例を売ろうと思えば、買いたい人が現れるかもしれない、そういうデータを日々蓄積しているんだという意識を持った方もいらっしゃいます。圃場管理システムを使って集めているデータの価値を自ら認識しているわけです。
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