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日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

THCが多くても少なくても「無毒大麻」?



 法律と薬理学の実態が一致しないのは、この手の評価結果が政治的に無視され続けているからである。その矛盾を解決すべくアメリカのコロラド州とワシントン州では、2012年秋の住民投票においてマリファナ合法化法案が賛成多数で可決され、お酒と同じように嗜好品として扱われる地域がついに登場した。

 よく言われている大麻の論点(図表2)においても、大麻を麻薬として取り締まるべき科学的根拠が十分でないために、法律と薬理学の不一致による混乱が生じているのが現状である。唯一、取り締まりの科学的根拠になりそうな依存性については、もし「何かに依存すること=違法」であるならば、買い物依存、ギャンブル依存、セックス依存、甘い物依存、ネット依存、ゲーム依存などあらゆる“依存”を取り締まりの対象としなければならなくなる。


THCの毒性は毒物にも劇物にも該当しない

 03年に制定された化学品の分類および表示に関する世界調和システム(国連GHS文書)に従うとTHCの急性毒性は区分4に分類される。ここでの急性毒性は、ラットの経口摂取(薬物を口から入れて)で14日間に半分の数が死んでしまう量(以下、LD50)を指標とする。例えば、LD50が5mg/kg以下が区分1となる(図表3)。

 区分1には、食中毒の原因で地上最強ともいわれるボツリヌス毒素、毒草のトリカブト等が該当する。区分2はタバコのニコチン、ヒ素、中国の餃子事件で有名になった農薬メタミドホスがあり、区分1と区分2をあわせて毒物・劇物取締法上の毒物に相当する。区分3には唐辛子成分のカプサイシン、コーヒーや緑茶のカフェイン、鎮痛剤のモルヒネがあり、毒物・劇物取締法上の劇物に相当する。区分4はLD50を2000mg/kg以下とし、THCが666~1910mg/kgなのでこの区分に該当する。同区分には鎮痛剤のアスピリン、ジャガイモの芽の毒であるソラニン、ゴキブリほいほいのホウ酸がある。区分5には食塩やお酒(エタノール)が該当する。

 昔の農薬は区分2や区分3が多く、毒物や劇物であったが、07年の市販農薬は、毒物が1%、劇物が17%、区分4以上の普通物が82%となっている。

 では、なぜ区分4のTHCや農薬が嫌われるのだろうか。身近な毒物にタバコや唐辛子、コーヒーがある。しかし、これらの自分でコントロールができて馴染みのある危害は実際の毒性より軽く見える。逆に自分でコントロールができなくて、馴染みのない危害はより大きく捉えてしまうのだ。したがって、農薬や大麻草等は危険性だけが誇張して認識されるのである。

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