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【“被曝農業時代”を生きぬく】
原木シイタケの生産とともに里山再生を目指す(下)
- 編集部
- 第19回 2013年02月15日
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「里山再生基金」の創設へ
原木シイタケを作り始めて40年以上。私にとって里山の再生は、最後の仕事と言えるでしょうね。里山で間伐がされなくなれば、日本で原木シイタケの生産自体が途絶えてしまうのですから。その原資を集めるためには、もちろん自腹を切る覚悟です。ただ、それだけではまったく足りない。ですので、まずは東電、それから消費者や林業者たちからにも寄付を募ります。
何しろこれだけの大きな事故です。風化させてはいけない。だから、東電にはお金を出してもらうだけでなく、その社員には植林に来てもらいます。お金を出すだけでは、すぐに忘れてしまいますよ。現場で汗を流してもらうことが大事なんです。それも一端植えたら終わりではない。定期的に下草刈りもしてもらう。当然のことでしょう。
里山管理の人材育成に着手
原発事故後に生産者が設立した同協議会は、原木の確保や賠償問題で関係機関と交渉を重ねてきた。その熱意は国を動かす。林野庁は昨年12月6日、安全な原木を育成する手順を示した文書「里山再生基金の実現に向けて」を飯泉さんたちに提案。同庁の新年度事業で活用できるものを具体的に提示した。
林野庁からは、里山再生について次のような5つの課題項目を示されました。
(1)候補地の条件設定
(2)候補地に応じた具体の事業計画 づくり
(3)候補地に権限を持つ者との交渉
(4)作業に必要な人員の確保
(5)資金の確保
このうち(1)と(3)は解決しました。旧友にお願いして、彼が所有する5haの里山が使えるようになったんです。県の「湖沼環境税」を使い、すでに下草刈りは済ませました。これからクヌギやコナラを植林し、およそ20年後に原木として伐採したい。
それからコナラやクヌギを切り出す、それを運搬する作業者、彼らのスキルを育てなくてはいけない。その研修施設を設立します。2013年の秋から冬にかけて里山に入り、広葉樹や針葉樹を切り出す作業者を実地で育成するつもりです。とにかく課題は多いですが、やれることからやっていく。地域の住民や林家さんのご協力を呼びかけていきたい。
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