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特集

売ることから発想するこれからの農業
作れるだけでは半人前!!

 事務所から5kmほど離れた岩瀬町に平成4年から稼働を開始した、KEKグループの直営農場がある。現在の規模は借地4ha。75本のハウスが並び、イチゴ、トマト、メロン、レタス、ミニトマトなどが生産されている。これらは主にグループの直売店に出荷する他、たとえば初春はイチゴ狩りなどに解放もする。秋は敷地の一角がコスモス畑となり、訪れる人の目を楽しませる。ゆくゆくは消費者の「体験農場」としての内容を充実させ、16hまで拡大する構想だ。

 イチゴのビニルハウスは保温効果の高い2層構造。入口脇にはガスボンベが置かれている。夜間二酸化炭素濃度を上げておいて、朝の光合成を促進するための設備だ。ここで朝摘みされたイチゴが、その日のうちに直売店の棚に並ぶ。完熟ゆえの甘みの濃さと新鮮さが売り物だ。

 直営農場のスタート以来、農場長を務めている広瀬勝志さんは言う。 

「いいものを作るにはコストがかかります。それを買い叩かれると、結局は売り手だけでなく、買い手の側も損することになるというのが私たちの考えなんです。たとえばこの農場の売上の7~8%は、良質の堆肥、有機肥料、土壌改良剤の購入に充てられています。そういう手間をかけて作ったことを理解してくれるお客さんに”正直”な作物を売りたい」

 これを宮田さんの言葉で言い換えると、「商品に“心”を付けて売る」ということになる。 

「日本の農業の将来を考えたら、生き残りの可能性は、会社組織の形しかない。雇用労働によって農業が成り立つシステムを作った人間が勝ちですよ。そうでないと、外国産にみんなやられてしまう。雇用労働を発生させ、それを支える経済行為は、商品の付加価値である”心”の部分によって実現できると思う」

 そのための試行錯誤の場所が、つまりこの、「21世紀をめざす実験農場」なのだ。宮田さんと、そしてKEKグループの挑戦は、まだまだ続く。 (木幡一誠)


サツマイモ、干し芋卸しで年商9億
販売の安定めざして通信販売に着手


「自分が損をしても、お客さんには損をさせない」

 これは、照沼勝浩さん(33歳)が、ここ数年強く感じるようになったことだ。

 干し芋のブランド「雪の華」で知られる㈱照沼商店(茨城県東海村・照沼勝一社長)は、自社の耕作地でサツマイモを栽培(作付面積35ha)するほか、茨城産を中心としたサツマイモの仲卸業を行なっている。年間の取り扱い総量は3500t。さらに地元の農家から買い付けた干し芋の卸と小売を行なっている。出荷先は大手スーパー、各地生協、関西以東の中央市場など全国300ヵ所に上る。

 年商9億円。社員11名。臨時雇用者9名。パッケージ等のためのパートタイマー40人を通年で雇う。年間の人件費は1億円を越える。

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