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特集

売ることから発想するこれからの農業
作れるだけでは半人前!!

「契約だと、ネックになるのは特定の数量を安定して出せるかどうかが問題になる。時々、数量が足りずに買い付けて数を揃えてる人もいますが、これじゃ意味がない。スーパーなんかは厳しいですからね。あの値段でどんなにして利益出すのかって考えちゃいますよ」

 無理をしなくてはならないようではだめだと、北島さんは言う。

「100点満点の収穫じゃなくってもいいんです。 70~80点の仕事でも、無理がなければ続けられる。高収量型でなくてもいいんです。上地に語らせるというか、作柄をきちんと見て、ああ、少しこういう肥料がいるなとか、もう少し水分ストレスがあったほうがいいかなって考えるわけです。人間がどうあがいても、できるのは作物の成長の手助けぐらいです。それを、無理矢理多く作ろうとすると土にそっぽを向かれてしまう。だから無理はさせないし、自分も無理をしない。自然に逆らわない。それを心掛けてきたら、結果的に経営が安定してきたんだと考えています」 


【無理をしないことと甘やかさないこと】

 一般に、ホウレン草は園芸的に小規模で取り組まれることが多い作物には違いないが、北島さんはそれをのべ10haの面積に展開して経営の柱に据えてきた。そして安定した出荷=収穫を目指した作付けを一つの目標に据えることで、結果的に経営自体を安定させることができた。

 しかし、家族3名の労働を核とした生産を前提とすれば、現状の規模はこれで限界だと言う。そして核となる労働力が小さいだけに、外部の労働力を得ることについても独特の考え方を持っている。

 というのも、白菜出荷時期には地域のどの農家もパートタイマーを導入して作業を行なうが、彼らは時給のよしあしで動いてしまうのだ。とくに夏場は、東北地方の白菜産地との取り合いが起こる。すると当然、いつ、何名に働いてもらえて、コストがいくらになるという部分が不安定になってくる。それに対して北島さんは、地元の高齢者のパートタイマーを確保することで安定化を図ってきた。 

「地域の中に自分かいるということは、お金では買えない部分です。恵まれているんです。そういう意味で、地元優先という考えでいることは大切です。信頼されなければ来てもらえませんから。確かに作業能力では差がありますが、早くたくさんできるからいいかというと仕事が雑だったり、遅くても丁寧な仕事をしてくれる人もいる」

 北島さんがトンネルではなくハウスを柱にしているのは、機械を導入することができて作業が楽だからということだ。その簡易ビニルハウスは、仲間から「こんなんで大丈夫か」と心配されるようなものだというが、「台風でも大丈夫だったからこれでやっていよう」と続けてきた。コストにはあくまで厳しく、使えるうちは使い切る考えだ。

 ハウスの中は、収穫直前の畝から、まだ発芽して1週間という畝もある。出荷時期を考えながら、何段階かに分けて作っていることが伺われる。ホウレン草のコツはどんなものだろうか? 

「適度な水分ストレスです。濯水は播種直後と発芽して少したった頃の2回」

 水分補給はこの2回と特別乾燥がひどいとき以外はやらないという。 

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