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【海外レポート】
イタリアの稲作を見て日本の農業経営者へ伝えたいこと 前編 稲作をする環境の違い
- (独)農研機構 中央農業総合研究センター 北陸研究センター 水田利用研究領域 主任研究員 笹原和哉
- 第1回 2013年03月15日
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コメはイタリアでは毎日食べることはないようで、スーパーマーケットでは多くが1kgの包装で売られています。また、特定地域の農業生産のほとんどを占めている点は、地域特産物だと感じられます。すると、日本のようなコメに対する神聖なるイメージが存在しません。コメの産地の一部では、価格が下がるとトウモロコシに変わり、上がるとコメに戻すという地域がありました。生産者はブランドではない品種の場合、0.4ユーロ(44円)/kg程度で販売しています。
ですから、イタリアから見ると、コメは神聖なものではありません。自家用に山の中でつくることもありません。もし農地改革が断行されていれば、今のように大きな圃場で、低コストではつくれなかったでしょう。一方、イタリアにおいても、農業経営者が低価格なコメに低コストな技術体系を模索して立ち向かっています。
今回は、イタリアの稲作経営の置かれた環境について、おおよそ説明しました。この状況の中で、どう稲作の作業が行なわれているのかについては次号でご紹介します。
【お詫びと訂正、補足】
本誌の204号の編集長インタビューにて次の誤りがありました。読者の皆様ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。
■33ページ 1段17行目
水利組合に払う水利費用
誤)10a当たり5000円
正)10a当たり1500円
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笹原和哉 ササハラカズヤ
(独)農研機構 中央農業総合研究センター 北陸研究センター
水田利用研究領域 主任研究員
1969年大阪府生まれ。1992年東北大学農学部卒。1993年より九州農業試験場(後に(独)農研機構 九州沖縄農業研究センター)勤務。1997~2009年 湛水点播(ショットガン)直播、暖地型稲麦大豆輪作体系の開発において経営評価を担当。2010年より(独)農研機構 中央農業総合研究センター 北陸研究センター勤務。現在、水稲超多収栽培、開発技術評価のプロジェクトに参加。農学博士。
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