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日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

繊維用と種子用の栽培方法の違い



 雌雄異株の場合、繊維をとる目的ではかなりの密植栽培をする。繊維をとるためには、条播で畝間20~30cm、株間3~6cm前後、1平方メートル当たり180~200粒(10a当たり4.5kg)を播種する。

 一方で、種子をとるためには、条播で畝間90cm、株間30~75cm、1平方メートル当たり40~80粒(10a当たり1~2kg)を播種する。雌雄同株の場合は、雌雄異株の繊維をとる目的と同じ播種条件、もしくは若干密植を薄くしての栽培となる。いずれの場合も直播で行なう。


管理

 播種後6~10日で発芽し、種子や発芽直後の双葉は小鳥が好んでついばむため、日本では小鳥対策として寒冷紗という網を畑にかぶせているが、海外では広大な面積なので、そのような対策は一切とっていない。間引きは発芽状況や栽培の目的によって異なるが、高品質の繊維をとる場合には、背丈が6~7cmのときに密植した箇所を間引き、背丈15~16cmになったころに生育不良や伸びすぎのものを、株間9cmになるように間引く。 風や虫による被害茎が発生したら、そのつど除去する。栃木県の場合は、間引き時にカツサビという小型の中耕具を使用して、畦間の土を反転させながら、両側に軽く土寄せし、除草を兼ねて実施している。


収穫時期

 繊維用の麻は、110日前後で収穫となる。写真1のように密植した状態で茎が上へ伸びており、上側のみに枝と葉があり、下側には地面まで枝や葉が生長過程ですべて落下する。繊維用の麻では、雄株か雌株か明確に区別できないうちに収穫をする。

 一方、種子用の麻は、8月に雄株が開花し、雌株がその花粉を受けて結実し、種子が登熟するまでの期間があるため、収穫は10月下旬まで待つことになる。雄株と雌株は1対1の割合で出てくるが、種子を付けるには10a当たり5~6本残しておくだけで十分なので、雄株を先に間引きする。種子用の麻は、生長すると茎の直径が3~6cmと太くなり、全体的に写真2のようにクリスマスツリー状に横枝が大きく茂り、その枝先に花穂ができ、種子がたくさん実る。1本の茎からは600~750gの種子が採れ、文献によると10a当たり70kg(品種や栽培条件によって異なる)である。海外の種子用に開発された収量の良い品種では150kgを超える。

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