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自己責任で育てなさい、そして食べなさい
鹿嶋パラダイスでは自分の好きなものは好きなだけ栽培できるというルールがあります。これは誰にでも適用されるルールです。ただし、自分で種播いて、草とって、収穫する、人集めるのも全てその人がやるといった責任も負います。というのも好きなものしか作物は育てられないという考え方がカシパラにはあり(愛着のあるものから草取りをしていくため、必然的にそうなった)、手を挙げた人は漏れ無く“大臣職”が与えられ、すべての権限が付与されます。結果、収穫物も食べ放題となるわけです。そして暑くなり草が繁茂する頃には、どこからか大臣辞任説がまことしやかに飛び交うようになります。辞表は絶対に受け付けませんけど(笑)。
そう、このそばも大臣制で作られるようになったんです。
せっかくですから最高の舞台をということで、毎年イベント開始直前にみずほの村市場(茨城県つくば市)まで車を走らせ、巨大な石臼で挽くんですが、石臼ってヤツは凄いですねえ。石臼から出てきた粉、冷たいんです。手で触るとヒヤッとするんです。うちにはドイツ製の卓上電動石臼があるんですが、所詮卓上ですよねえ。そしてその挽き立ての粉を鹿島神宮御手洗横の老舗蕎麦屋「一休」さんで打ってもらいます。
同店主・久保智一さん曰く「10割で打っても水でバシバシつながる」そうです。こんなそば粉で1年過ごしたいなあと言われていますが……。ねえ。マスター、代わりに大臣やってみる?
余ったそば粉は店でガレットでもしようかなあ。ちょうどイベリコの脚ハムもあるし、手作りのベーコンもある。石岡鈴木牧場の至高のモッツアレラもあるし、畑に自生するルッコラもある。
シードルでも買いに行くかなあ。
ってカッコつけてみたけど、鹿嶋にシードル売ってない……。
そんなこんなで、自分たちが作るようになったそばが好きになりましたよ。3年続けたくらいですから。まずかったら悲劇ですけど、やっぱり自分たちが、自分たちのために作ったものは格別にうまく感じるものです。
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唐澤秀
(有)茨城白菜栽培組合
開発・営業担当
1976年静岡県生まれ。1999年、明治大学農学部卒業。2000年、(有)茨城白菜栽培組合に入社。組合員の農家で研修した後、商品開発・営業に携わり、「霜降り白菜」「極み大根」など、ブランド化した作物を次々と世に送り出す。現在は、生産者・流通などの垣根を越えて若手が交流する「若手の会」も主催する。茨城白菜栽培組合ホームページ http://www.hakusai.co.jp/
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