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海外レポート

東アフリカ・ケニアの農業ビジネス探訪 農家の課題は経済と健康状況の改善にあり



 「ケニアでは今でも妊娠した女性がカルシウムを摂るために土や石を食べる文化があります。それは生活の知恵ではありますが、石や土ではなく食物から栄養が取れたらそれがいちばんいい。モリンガはカルシウム分はもちろん、スプーン2杯分の粉末で一日分の栄養がとれるほど栄養価がある。輸出用の健康食品としての可能性があるのはもちろんですが、むしろまずはそれを国内の生産者、ひいてはケニア人自身の栄養状態向上のために用いるべきではないかと思いました」

 輸出向けに特化した換金作物ではなく、国内生産者の栄養状態の改善と収入の底上げ、というムボゴの立てた2つの柱を、ケニア農業省は高く評価した。そして08年以降、ケニア農業省はモリンガ普及のためのサポート活動を行っている。現在、ムボゴはケニア各地の600の農家とコラボレートしてモリンガの契約栽培を行っている。その条件は、生産者自身が収穫物であるモリンガを食事に取り入れて、その栄養的価値を認識してもらうことだという。そのために契約栽培者を招いたセミナーも定期的に開いている。生産者自身が自分の栽培している作物のよさを知ることこそが口コミなどの普及の鍵になり、現にそうやって生産者の数はじわじわと増えているという。

 アフリカが世界の食糧庫と見られている現代において、輸出向けの大規模農業を発展させることは国家経済にとっては重要だ。しかし、それ以上に大切なのは、国内生産者の経済状況と健康状況をともに改善することだとムボゴは考える。

 「生産者が経済的に潤うだけでは不十分だと思うんです。農業は食に直接関わっている。食は健康に通じるものでなくてはならない。これまで私たちにも生産者にもそういう発想がなかった。モリンガという新しい農産物をきっかけに、栄養や健康を実現する食文化を創造するというのが、私の願いなんです」

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