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高木 みわ・ダッシュ村のホームページを見た時、びっくりしたんです。だって、株主は一口100万円とあるんだから。その金額に都会を脱出した人が集まるというのは驚きですよ(笑)。僕なんか、せいぜい5万円の発想しかない。もともとが農業者じゃないから、そういった発想ができるのかなと。周りを巻き込むといっても、僕には難しいなと感じます。
昆 でも私募債でさ、50人に50万円ずつ出資してもらうと、2500万円でしょ。そうすると、彼らはお客さんであり、営業マンにもなってくれる。風土を生かせば、もっと事業の夢は広げられるし、もっと大きな社会的価値を持たせられる。
高木 客観的に聞けば、なるほどな、と。でも、自分のとこを外から見れてないんでしょうね。清水さんのように、地元にそれほどの価値があることに気づいてない。取引のある米屋さんにこの地域に来てもらって、作るところを見てもらって、若干高く買ってもらってるようなことはしているんですがね。
昆 経済の合理を追求している流通業者にですよ、困難な場所ですから高くコメを買ってくれというのは、なかなか通用しないんじゃないかな。品質が良くて、なおかつ安い方が良いに決まっているんで。
【内向きから外向きへ】
紫芝 いま話題が外のお客さんのことになってますが、うちの田切農産は最初、どちらかと言えば内向きだったんですね。自分たちの地域を守ろう、農家の皆さんに喜んでもらおう、という趣旨で始まった。土手草刈るんだったら、よそから人を呼ぶのではなく、余裕のある人たちに頼んで、ちゃんとこちらからお金を払う。そういう仕組みを用意すれば喜ばれる。
そうしてたら、周りで見ている人たちも、僕たちがどんなことをしているのかと見に来てくれる。で、そのうちに遊びにきてくれる人が増えてきた。4、5年経った時、トウガラシづくりを農家に委託し、うちに持ってきてもらうことにしたら、「面白いことやっているじゃん」と外からも見に来る人が出てきたんです。
清水 それはいい循環ですね。
高木 観光は多いんですか?
紫芝 うちは滞在型ではなく通過型の観光ですね。中央高速がありますから。逆に言うと、滞在型ではない利点を活かせばいい。来て、一日楽しんでもらう。
昆 かえって大きな投資が必要ないわけだ。
紫芝 そうそう。農業体験にしてもノウハウなしで始めているけど、やってみないと分からねえよ、と。そんな状況で始めてて、いくつかやっているうちにノウハウは蓄積できる。そんなに深く考えていないんですね(笑)。
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