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岡本信一の科学する農業

数値管理の指標をつくる考え方(1)



 そうすると、いわゆる最も個数の多い分類を頂点として、重いものと軽いものは、徐々に減っていくことが分かる。双方が均等に減っていくのであれば、それは正規分布と呼ばれる形で、統計上最も分かりやすく処理しやすい分布をしているということになる。私がこれまでに行なった調査では、農産物の大きさはすべて、正規分布に近い形になった。

 ここで図を見ていただきたい。正規分布の度数分布グラフを2つ用意した。左側(A)のパターンは、中央の平均のあたりに集まっていて、尖がった形をしている。一個ずつの重さのデータがこのように分布していたら、全体的に揃っている印象を受けるだろう。逆に右側(B)のパターンの場合、大小の広がりが大きく平均値に近いデータはAに比べると少ない。同様に想像してみると、大きいものや小さいものの割合が増えて、揃いが悪いということが分かる。つまり、「大きさを揃える」ということは、この真ん中の尖がり部分を増やし、大き過ぎるものや小さ過ぎるものを減らすということになる。

 総重量を個数で割って平均を得るというだけでは、収穫したもののバラツキを知ることができないし、大き過ぎるものや小さ過ぎるものの割合を知ることは難しい。さらに、一個ずつの大きさが分からないと、改善するためのデータ解析をしようとしても、その材料がないということになってしまう。


条件次第ではいくつかの指標を作るのも解決策

 ジャガイモについては、過去に詳細な調査を行なっている。具体的に大きさを揃えるという意味を考えてみよう。

 この調査は、北海道にて土壌の化学性と物理性、ジャガイモの生育状態、収量について行ない、品種の違い、植付ける際の株間、土壌硬度などから結果を検証した(注)。収穫調査では一個ずつ重量を測定した。

 最初に分かったのは、次の通り。


●個々が重いと不良率が高くなる
●バラつきが多いと重いジャガイモが多くなる
●バラつきが大きいと不良率が高くなる

 ジャガイモの場合、一個の重量が重いと収穫後の傷害が増える傾向がある。同じ管理ができていたとしても、重たい個体が多いだけで不良率が高くなるので、大きくなり過ぎない方がいいのである。平均重量が重いグループと軽いグループ、バラツキの小さいグループと大きいグループでは数%の不良率の違いがあった。少なくとも平均重量が重すぎず、バラツキが小さければ、不良率が減るのは間違いない。

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