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人生・農業リセット再出発

土龍!?

昔々、春も待ち遠しい節分の夕方、キーンと凍りそうな澄み切った星空に天の川が流れ始める。子供たちは大きく束にした麦ワラを荒縄で幾重にも縛り、バットみたいなものを楽しそうに作った。日没後、村中の家の庭先で地面をそのワラ棒で叩くと、おばさんがキャラメルや餅をくれるのだ。農作物を害するモグラを追い出して五穀豊穣を祈る神事である。ドイツ人乗務員から自分の国にも同じ風習があると聞いて驚いたが、キリストの光に盲目のまま悪さをする魔性だからだという。

 モグラは掘った穴の跡が龍みたいだから「土龍」と書き、「地龍」はミミズを指す。ヘルメットを被ってドリルを手にしたモグラの工事標識は可愛くも、その一方で穴が水田の水漏れや農作物を枯らすなどの被害を起こす。盛り土を埋めても「次は向こうで」とばかりのやりとりはまるでモグラ叩きゲームだが、実はモグラは先祖から受け継いだ地下道路網を増改築しているだけであり、そこをミミズを食べるための狩猟用の罠にしている。肉食で植物の根や実は食べず、運動量が豊富で大食漢。独身生活でライバル闘争が激しく、トンネル網には1匹が棲み、昼夜活動して3時間の休息と5時間の活動、8時間×3単位のリズムがある。12時間以上、何も口にしないと餓死する。そのため、餌不足対策として唾液の麻酔成分で獲物を噛んで仮死状態で貯蔵しておく習性を持つ。

 では、モグラ退治には何が効果的なのか? 我が家でも芝生がボコボコになるので知恵を絞る。家庭菜園程度であれば、深さ30cmの溝を掘って金網で囲えば万全。ペットボトルを利用して作った風車は音と振動で嫌がると聞くも、高価な超音波発振機と同様、数日で慣れてしまって効果なし。真っ暗なトンネルの中、盲目なのにミミズを捕食できるのは嗅覚だと耳にし、安くはない市販の忌避剤を穴に詰め込んだが、あくる朝には盛り土と一緒に嫌味ったらしく外に放り出されていた

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