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日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

繊維を分離する一次加工の方法(2)



3)釜麻(かまそ)おり
干し上がり、保存されていた乾麻(稈麻(からそ))は、後日の麻煮のために1束1貫500匁(約6kg)ずつ量り、3束ずつ上中下の3カ所を結束し保存する。

4)麻煮(おに)
麻茎は夏の乾燥作業の後、皮をはぎやすくするために「麻釜」と呼ばれる特殊な釜で2時間ほど煮る。鬼無里村の当時の麻茎は、長さ4mほどあり、釜の深さが2mもある大きな釜屋と呼ばれるところに置かれた。釜湯の中に混入する「木灰」は、ナラ、クヌギの雑木林のものを使う。コップ1杯程度の灰を湯が煮立った時点で投入し、さらに新しく麻茎を入れるごとに追加投入する。

5)麻剝(おは)ぎ
麻釜で煮て、池などに1時間ほど浸して冷却し、はぎやすくなった麻の茎と皮を麻殻に分ける作業。表皮に傷をつけ、間に指を入れて裂くと皮がはぎ取られる。これは主に男性の仕事だった。

6)麻掻(おか)き
はぎ取った皮を、檜(ひのき)や朴(ぼく)のようなしなやかな木で作った「麻掻板(おかきいた)」にのせ、「麻掻包丁(おかきのこ)」で表皮の不要な部分をかき取る作業。主に女性の仕事で、朝から夜遅くまで続けられた。

この後の工程は、鬼無里村では畳の縫い糸を製造するために、麻繊維から麻績みという糸づくりをして、よりをかけ、畳縫い糸の形にする糸合わせを行なった。その後、1月下旬から2月上旬の雪深いときに寒晒しという独特の工程を経て、白くて強靭な糸を生産した。1964年まで村内全域でこの作業が行なわれていた。

一方、美麻村では、精麻には、山中麻(さんちゅうあさ)、小白(こじろ)、大白(おおじろ)などの繊維の質によって等級があり、山中麻が最優良品だった。山中麻の等級の精麻は、この木灰汁煮法で製造し、小白や大白の等級は栃木県と同じ堆積醗酵法で行なわれていた。堆積醗酵法では3日間醗酵させた分だけ繊維質の腐敗・劣化が進んでしまうが、木灰を使ったアルカリ処理は、ペクチンだけを取り除き、繊維質を腐敗・劣化させないように精麻をつくっていたと考えられる。

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