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岡本信一の科学する農業

数値管理の指標をつくる考え方(2)

農業の現場で数値管理が実用化できない最大の問題は、土耕栽培において最も重要な土壌の違いが収量や品質にどう関係しているのかを把握できていない点にある。 では、今回取り上げている事例、ジャガイモの大きさをそろえて、規格内収量を最大化するという目的の場合にはどうなるのだろう。ジャガイモの大きさをそろえようとした時には株間をそろえるだけでは結果に結びつかない。土壌の硬さも勘案しなければ数値管理の指標として利用できないということになる。

 前回書いたように土壌が軟らかければ大きくなりやすく、硬ければ小さくなりやすいというのは誰にでも理解しやすく、その通りだろうと思わせるものがあるが、そこにたどり着くまでが大変なのである。

これまでにも触れてきたとおり、土壌の硬さというのはどの深さでも一様なのではなく、深くなるにつれて徐々に硬くなるタイプ、ある深さで急激に硬くなり硬いまま推移するタイプなど様々である。これらの硬さの変化を無視して平均化しても、収量や品質との関係性は分からない。この関係を知るためには、複雑な土壌の硬さの変化をいくつかの数値で表さなくてはならなかった。硬さについてもっと細かく分析し、どのような硬さだと、ジャガイモにどのような影響を与えるのかを示す必要がある。これがまず容易ではないのだが、農業とは直接の関係があまりないので簡単に触れるだけにする。ここでは、単純に軟らかいとか硬いということではないということだけを理解いただければ良いと思う。
例えば、土壌がどのように硬くなってゆくのかの勾配(傾き)や最も硬くなるまでの深さなど、様々な要因が関係している。これを土壌の物理特性の項目として数値化する。同様に植えられた株間を測定し、平均とバラツキをデータにすることによって、収量や品質との関係性は明瞭となり、数式で表せるようになるのである。

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