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【未来思考の農業IT 農機オタクのおもちゃで終わらせないために】
圃場管理システムの活用事例
- 編集部
- 第3回 2013年06月14日
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圃場1枚ごとの利益率を上げるためにITツールを活用する
「1枚の圃場でどれだけ収益が上がっているのかを把握することが儲かる農業を実現するために最も簡単な手段ではないだろうか。収益性の高い圃場にする努力を積み重ねていくのが経営だと思うんですよ」
こう話すのは、(有)谷島農園の谷島秀夫氏(60歳)だ。今年の作付面積は畑40ha、水田19ha。畑作は全面二毛作で、冬作の麦(小麦、六条大麦、二条大麦)40haを作付している。昨年の夏作は大豆27haとソバ20haだった。加えて、稲刈りなどの作業受託が10haあり、管理する圃場の枚数は500枚を超える。
マーカーで色を塗り分けて
貼りあわせた地図が原点
谷島氏は農業者大学校を卒業後、20歳で実家の葉タバコ農家に就農した。葉タバコは栽培手順がすべて決められているため、栽培方法を工夫しようにも自由なことができなかったと振り返る。我流の栽培方法に挑戦したとしても収穫して納品する際に品質が見合わなければ即収益に影響をきたしてしまう。栽培体系を工夫すれば、収量や品質を上げられるはずだと考えたが、リスクを冒してまで挑戦する品目ではなかった。
次第にコメや麦類などの普通作に転向することを目標に掲げるようになっていた。機械や乾燥施設をそろえるために作業請負を始めて資金を貯める一方、販売先を開拓した。100馬力クラスのトラクタやコンバインをそろえて、水田が30haまで拡大することを見据えた乾燥設備は自作した。
2000年に葉タバコの生産をやめ、コメ・麦・大豆の品目の普通作専業になる。毎年圃場が増える一方で、販売先からの評判も良かった。
経営が安定してきた08年に法人化。当時の経営面積を尋ねると、整頓されたファイルケースから取り出されたのは、地図を印刷してセロテープで貼りあわせた圃場の全体図だった。農地集積図をコピーして、作付品目別にマーカーで色分けされ、一目で分散した圃場の位置と品目を把握できる。圃場に関する品目や品種、作業履歴などの情報を地図と一体で管理するという発想が谷島氏の頭の中では既にこの時点で確立されていたようだ。08年の作付面積は水田10ha、畑25haに拡大していた。
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