ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

未来思考の農業IT 農機オタクのおもちゃで終わらせないために

圃場管理システムの活用事例





地図上に情報を重ねて
圃場を管理する

「圃場ごとに作業時間や経費を出していく必要があるが、どうしたらいいのか見当も付かなかった」
水田は平均20a程度の小さな区画で、畑は変形圃場も多い。面積の小さい圃場が分散しているという特徴を逆手にとり、分散している圃場を視覚的に表現できないだろうかと考えるようになった。そうすれば、「作付け計画を立てる」「施肥計画を立てる」「地代の支払いをする」といった判断も効率良く、的確に行なえるようになるのではないか。
頭の中で整理していた圃場の位置関係を正確にとらえて作業計画を立てられるようになったのは、お手製の地図のおかげである。この地図に色塗りするような圃場管理をコンピュータで行なえる方法はないだろうか。探していたところ、GIS(地理情報システム)を利用した圃場管理システムを紹介される。
GISとは、地図の上に情報の層を重ねて管理するしくみのことだ。背景となる地図の上に、複数の情報が関連づけられているため、必要な情報だけを選んで表示したり、印刷して出力したりすることできる。たとえば紙地図の場合、品目別に塗り分けた地図と、作業内容別に塗り分けた地図は2枚になる。GISでは、品目と作業内容という2種類の情報を重ねて、1枚の地図上で管理することができる。 
一般的にGISは高価で、地方自治体やJAに導入されてきたものだった。しかし、00年代には機能が限定された安価なGISが市販され、個人でも導入できるようになった。谷島氏は5年前に「地図太郎(東京カートグラフィック(株)」という簡易GISソフトウェアを導入した。最初は何も分からなかったが、使ってみると、実に便利だと感じたという。地図の印刷機能に優れ、コンピュータ上での起動や動作が早いと評価している。
ソフトウェアの操作は分かりやすかったが、これを農家の経営の中でどう使って、発展させていくかというところに難しさを感じたそうだ。


GISで立てた作業計画を
GPSガイダンスで実施

コンピュータの画面に映し出された地図を見ながら、圃場ごとの作業計画を立てる。圃場ごとに異なる作業を実践しているのは、施肥作業だ。散布する施肥量を簡単に色分けしておく。次に色分けした地図を印刷して、作業者に渡す。色分けされた通りに設定値を確認するだけで、連続的に次の圃場へ移動して作業を続けられるので、現場で考える時間が減り、作業が単純化したという。

関連記事

powered by weblio