ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

“被曝農業時代”を生きぬく

高松農法が持つ竹林の放射能汚染を低減させるカギ



親竹の放射能汚染と年次間変動

土壌に降下した放射性セシウムは粘土鉱物によって部分的に膨潤した末端部の層荷電(フレイド・エッジ)に特異的に吸着されることが指摘されている(注2)。このため、放射性セシウムの多くが植物への移行を阻止され、非交換態として存在する。しかし、リター層に存在する放射性セシウムの吸着力は弱く、竹の根圏を通じて吸収する可能性がある。この結果、一般の竹林では原発事故直後に生育した竹は、フォールアウトの影響を直接受けた竹よりも放射性セシウムの濃度が高い(注3)。
これに対し、高松さんの竹林の竹幹を発生年ごとに調査してみると、原発前年に発生した親竹は最も高くなったが、事故以降、年々、親竹の放射性セシウム量が減少した(図2)。12年に発生した竹は、10年に発生した竹の5分の1にとどまった。これにより、土壌の持つ放射性セシウムの固定能力が発揮されていることが示唆された。
タケノコは地下茎に貯えられた養分と親竹の同化作用による養分補給を受けて成長することが指摘されている(注4)。そのため、親竹に放射性セシウムを吸収させないような管理が求められる。その点で、高松さんの管理方法のなかにカギがあるようだ。

高松さんの竹林管理方法

 高松さんの竹林管理方法の特徴は、まず適正な栽植密度を確保すること。竹林は放任しておくと竹の密度が高まり、竹やぶ状態になってしまう。高松さんは、「竹林の中を傘を差しても歩けるようにする」という低密度で管理している。この栽植林の栽植密度は1~2本/坪で、一般管理の約30%と低い。また、親竹の長さを短く管理することも特徴である。これは「ウラ止め」といい、親竹として残すタコノコは高さ4m程度まで伸長すると下から揺らして先端を折って、必要以上に伸びることを抑制する。一般の竹林だと竹の長さは13m以上になり、倒伏の危険がある。ウラ止めにより台風などの強風による倒伏防止効果が期待される。

 タケノコの成長には養分と温度が必要である。高松さんは親竹を繁茂させないため、地上部の養分吸収を抑制し、地下茎への吸収を促す。また、栽植密度が低いので竹林床に直射日光が当たり、地温を確保する。

 しかし、直射日光が当たると竹林床の土壌は乾燥が進み、雑草の繁茂が危惧される。そこで、竹林床にカバークロップとして小麦を播種している。小麦を生育させることで、竹林床を被覆し、雑草を抑制して土壌水分を保持する。小麦を播種するときに土壌表層を軽く撹拌(かくはん)し覆土を行なっている点も、放射性セシウムを土壌に固定することに役立っている。また、タケノコを収穫した後には、必ず米ぬかぼかし肥料と石灰を散布して土壌養分管理に努めている。

関連記事

powered by weblio