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人生・農業リセット再出発

水戸黄門の諸国漫遊記


『黄門漫遊記』は、後世の講談師の作り話で、その時代に犬公方といわれ、「生類憐みの令」で世を苦しめた五代将軍綱吉と対比して面白く作られたものらしい。蚊1匹すら殺してはいけないという悪政に苦しむ庶民にとっては、正義の味方、胸のすくようなこの世の救い主として迎えたかったのだろう。
ちなみに、豊臣秀吉が一般に知られているのは、「サル!」と呼ばれた……と世間にはあるが、主君の織田信長が書いた手紙で唯一残っているものには「ハゲネズミ!」としか書かれていない。そんな秀吉をサルと呼んで面白おかしく、ちまたで講談にしたのは200年以上も経ったころのことなのである。
何はともあれ、歴史は面白おかしく作りかえられていくものである。私が書いた長編歴史ミステリーロマン平家伝説『小説・球磨川』でも、フィクションや創造をふんだんに取り入れて自由奔放に我なりの空想で書いたが、九州南部の山間地である過疎の取材地を十数年ぶりに訪ねてみて驚いた。観光名所のそれぞれには、拙著から引用した筋書きや由来がふんだんに、まるで伝説や史実であるかのごとく、説明書きがなされていたのである。他の動物と違う人間の素晴らしさは、どんな苦痛の過去も、美しく楽しかった思い出に変えてしまう能力にある!

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