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「出口があって初めて投資するのであって、出口が見えてないのにヒートポンプなどを導入しても意味がない。うちの場合はヒートポンプを入れるより、北海道に投資した方がいいと踏んだ。向こうで重油を使用しない時期に作った方が経営的にはずっと意味がある。ランニングコストを減らして利益が出るならいいけど、そうじゃないだろ。重油をたくときはたく、そうした方が絶対利益につながる」
生産拠点を国内に限っているからといって、海外に興味がないわけではない。いや、むしろ海外に出向いて向こうの品種を選び、積極的に導入してきた。あるいは商社に請われて、東南アジア諸国や韓国で技術の指導もしてきたほどに関心を抱いている。この中には日本向けの最大の輸出産地、マレーシアの高原にあるキャメロンハイランドでの実績もある。なぜ将来の敵となりうる相手を育てているのか。
「闘うには相手のことを知らなければ駄目だ。相手が槍で攻めてくるのか、鉄砲で攻めてくるのか。そうしたことを知らず、いつもと同じ武器で戦っているのが日本の生産者でしょ。相手だって勝つために考えてくるよ。いつまでも守っているだけではいずれ負けるだけだって」
藤目自身は意識しての発言ではないが、これは東三河地方の生産者に対するメッセージである。マーケットを見つめ、経営者としての主体性を堅持するところにこそ生き残れる農業経営がある。彼の存在は常にそのことを産地の人々に問いかけているはずだ。(文中敬称略)
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藤目方敏 フジメマサトシ
(有)ジャパンフラワードリーム
代表取締役
1958年の元旦生まれ。1975年3月に愛知県立渥美農業高校を卒業後、就農。89年に赤羽根町農協(現在のJA愛知みなみ)でスプレーマムを生産するフラワードリーム部会を結成して10年間部会長を務める。04年に(有)ジャパンフラワードリームを設立、06年にJA部会を脱退。同年4月から(有)ジャパンフラワードリームで生産者6人とともにマムの生産と販売をする。販売方針は「アソートMIX(複数品種の詰め合わせ)出荷」「常にある継続出荷」。今年8月からは北海道新ひだか町でも商業栽培を始める。
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