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また、オランダ人のメンタリティーは日本人と180度異なる。日本人は人の気持ちを第一に考え、義理と人情を大切にする人間味あふれる国民性だ。一方、オランダには「行間を読む」「顔色をうかがう」という行為は存在しない。物事を常に客観的に観察し、論理的に分析する。効率良く物事を進めるためだ。それを成し遂げるために、空港から病院、警察での被害届提出までもシステムで管理されている。巨大オートメーション農園は彼らが誇る優秀なシステムの一つであるに違いない。
食に関しても同様に極めて客観的だ。「生きるために食べる」ため、食への思い入れが希薄といえる。だからこそ、農作物を「商材」と割り切ることができ、思い切ったビジネス展開を行なえるのではないだろうか。また、オランダ人は革新的な取り組みやビジネスを許容し、誇りに思うことから、新しい方法で栽培された野菜も同様に受け容れたに違いない。
オランダ人はビジネスをするために生まれてきた、といっても過言ではない。そんなオランダ人が「これからも農業ビジネスと水ビジネスには注目する」と言っている。次はどんなサプライズが待っているのかと私はワクワクしている。オランダ農業の今後の展開からまだまだ目が離せない。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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