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海外レポート

東アフリカ・ケニアの農業ビジネス探訪 村落コミュニティと工場を結びつける品質管理という理念

ケニア中央部のマタアラは、東アフリカでも有数の茶の産地である。ここで取れる茶は、世界でももっとも品質のよい茶のひとつとして知られる。
前回、茶の生産地としては後発である東アフリカ、とくにケニアの紅茶が世界的に高い評価を得ているのは、そのすぐれた品質管理にあることを述べた。今回訪ねたマタアラ紅茶ファクトリーでも、高い品質を維持するためのさまざまな方策がとられていた。
マタアラ紅茶ファクトリーのある地域は、標高1000メートル近い高地で、周囲の山は一面の茶畑である。茶畑は小規模農家のコミュニティによって運営されている。一生産者あたりの畑は狭いところで1エーカー、広いところでは20エーカーにおよぶ。全部で4000人ほどの農家が、65のグループに分けられ、それぞれのグループで生産管理をしている。
同社のマネージャーのベンソン氏に茶畑に案内してもらった。
「ここもそうですが、ケニアの茶はほぼすべてが無農薬栽培です。それは環境との共存を図るとともに、茶の品質のよさをアピールするためでもあります。栽培方法については、KTDA(ケニア紅茶発展局)によって取り決められたさまざまな規則を守っています。肥料の種類や使い方についても協会の方から専門家が指導にやってきます」
茶葉は新芽とその下の二枚の若葉を摘むという方法で行われている。畑にいた生産者のサイモンさんは、葉を摘み取るところを見せてくれた。両手を使って、ものすごいスピードで葉を摘み取り、背中のカゴに入れていく。カゴ一杯の茶葉は25キロほどにもなる。摘み取られた茶葉は、村の集荷所に運ばれ、そこで割り当てられた番号のセクションに置かれる。

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