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編集長インタビュー

円安(ドル高)の影響と農業


昆 政治家や役人はどうすれば経営改善につながるかはよく分かっているんでしょうけど、それを実行してしまえば彼らの居場所がなくなっちゃうからね。
叶 物事がいい方向に変わる動きがある時に、交付金でそれを壊すというのが困るんですよね。
昆 イノベーションに対して出さなきゃいけないのに、イノベーションを妨げる交付金にしてしまう。
叶 何だか文句ばかり言っているけど、やっぱり言わざるを得ないんですよね。

TPP時代の酪農経営

昆 日本はいよいよ7月に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に参加します。これで国際競争力の議論も進むと思いますが、この点について叶先生はどう考えられます?
叶 製品の差別化をしていくべきではないでしょうか。この間北海道の浜中町農協に行ったんですが、ここは素晴らしいですよ。
昆 確かにあそこの農協はいいですよね。
叶 この農協は酪農家185戸、経産牛1万3635頭で生乳生産量は10万tあるんです。それを全量、タカナシ乳業に卸している。それがアイスクリーム「ハーゲンダッツ」の原料になっているんですね。浜中町は消費者に一番人気のブランドの原料に選ばれている。こうなれば自由化しようがしまいが一切関係ないわけです。
昆 価格だけではなく顧客に求められる農業であればいいということですよね。
叶 そう、浜中町農協は完全に製品を差別化できている。全国には色んな酪農協があるけれども、トレサビリティーが確立されているのはあそこだけですよ。そのうえ大体3分の2の農家が放牧している。これは消費者にとってイメージが良いでしょ。だからどんな競争相手であっても彼らは闘える。TPPに参加したって関係ない。所得はすごく高いよね。70頭ぐらいの飼育頭数で3000万円から4000万円あるわけですよ、家族経営でね。それで夕方6時には子どもたちと一緒に食事できるような生活を送っているんです。
昆 放牧だから、仕事も楽になる。
向こうの乳量はどのぐらいですか?
叶 7000~8000kgくらいです。
昆 多くはないですね。でも、いまの酪農家は乳量を多くして病気を増やして、多大なコストを払っていまでしょ。
叶 乳量を増やしているのは世代交代したばかりの若い人たちに多いですね。たいがいどこも赤字なんですよ。彼らは大学で乳量を絞ることばっかり勉強してきたから。それだから配合飼料をたくさん食わせるでしょ。配合飼料を食わせると、餌代がかかるだけじゃなくて牛の母体が悪くなりますよ。

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