ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖

農業経営者と「法務」これからの関係

はじめに「農業をめぐる法的環境の急激な変化」 平成21年12月に改正農地法が施行されて以降、農業に参入する法人数が増加したことは周知の事実です。さらに、今般、安倍政権は、TPP交渉参加の方針を決定するとともに、成長戦略第2弾として「攻めの農業」を掲げ、(1)輸出倍増戦略、(2)農業の6次産業化、(3)農地の集積・集約化の3つの政策を示しています。現状では、(1)、(2)については具体性を欠くものの、(3)については県農地中間管理機構(仮称)という機関を設置する前提で、ルール作りが着々と進んでいます。
今後の農政をめぐってはいろいろな考え方がありますが、TPP参加後、日本の農業が勝ち抜いて行くためには、また、耕作放棄地増加等の諸問題を解決するためには、農地をめぐる法的環境が「規制緩和」の方向に進むことは間違いなさそうです。
「規制緩和」というと「ルールが少ない自由な競争」をイメージされるかと思います。確かに、競争を阻害していたルールが少なくなるのは事実です。しかし、一方で、「フェアな競争」を確保するための新たなルールが制定され、これについては厳格な運用がなされます。そして、このルールに違反した者に対しては当然ペナルティが課されるのです。「規制緩和」により、農業経営者の皆様を取り巻く法的環境が、一般企業の経営者が置かれている法的環境に近づくといっても良いかもしれません。
よって、これから勝ち抜いて行こうとする農業経営者は、従来の農業の世界では馴染みの薄かった法令遵守(コンプライアンス)、組織や意思決定の健全化(ガバナンス)といった視点を持つことが不可欠であり、これらについて、弁護士から常にアドバイスを受けられる環境を整えることが必要になってくるはずです。

弁護士との付き合い方「5箇条」

現在、弁護士の数は、全国で実働約3万5000人前後ですが、直近10年間で、1万5000人以上増加しています。そして、今後も増加傾向は続く見込みです。これまで縁遠い存在であった弁護士が身近になり、依頼者が弁護士を選択する時代が到来したのです。
以下、農業経営者の皆様がどのような視点で弁護士を選択するべきか、どのような心がけで付き合うべきかを述べたいと思います。

(1)【農地法や農業に詳しい弁護士を選ぶべし】

弁護士というと、あらゆる法律に詳しいと思われがちですが、実は、全くそんなことはありません。法律の数は膨大ですから、自分が担当した案件に関わる法律や、勉強したことのある法律は詳しい一方、あまり馴染みのない法律も多数あります。
したがって、農業経営者の皆様は、農地法に詳しく、農業業界に理解があるか、少なくとも興味をもっている弁護士、さらに言えば農業をリスペクトしている弁護士を選ぶべきです。何より、業界に詳しい弁護士には話も伝わりやすいですし、農業経営者の皆様の話によく耳を傾け、本質的な問題の解決に力を尽くすはずです。

関連記事

powered by weblio