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オピニオン

『奇跡のリンゴ』ブームに違和感 水木たける(青森県弘前市)/急落した24年産米。その原因と背景を探る 熊野孝文(米穀新聞社)

木村秋則氏の地元から実名で正しくこの現象を説明する一人の農業経営者/急落した24年産米。その原因と背景を探る

『奇跡のリンゴ』ブームに違和感
水木たける(青森県弘前市)


『奇跡のリンゴ』ブームを危惧する者として、現場から意見を述べたい。
NHKの番組に端を発する無農薬・無肥料のリンゴ栽培が、社会の健康志向や安全・安心を求める風潮などの波に乗り、映画化までされた。『奇跡のリンゴ』の発祥地である青森県弘前市では地元を挙げて撮影を支援し、上映に際しては俳優が地元映画館で舞台挨拶したり、FMラジオでは木村秋則氏をテーマにした特集番組を組むなど大変なにぎわいを見せている。ネット上でもこの物語を高く評価する声が多く、全国から木村氏に生産指導や講演の依頼が殺到しているようである。
一方、当地でリンゴを生産・販売する側からはこの社会現象を歓迎できないムードが漂っている。現場を張っている人たちには実態を無視した絵空事として昨今のブームは否定的にとらえられているように思う。また、農家出身の都市在住者や現場をよく知る研究者、他県でリンゴ以外の品目を生産している人からも同様の声が上がっている。こうして農業生産の現場に近い人と遠い人ではかくも反応がはっきり分かれるのかと感じているところである。
私自身も、NHKで『奇跡のリンゴ』物語が放映されてから社会現象へと発展することに現場の人間として大きな違和感を抱いてきた一人だった。テレビやネットでは農薬の実態や生産現場の状況などへの理解がなく、無農薬・無肥料生産というものをあまり深く考えず、表面だけを見て支持や応援することが当たり前になっている。片や現場からはきちんとした批判や意見表明が行なわれていない。ネット掲示板などで匿名での中傷めいたものは山ほど書きつづられてきてはいるのだろうが、しっかりと世間に実情を説明したものはなかったのではないか。
そんななか、この『奇跡のリンゴ』物語が映画化され、今まで以上に広く世の中に違和感のあるものが広がっていく。これは違うなと思っていた矢先、そういうことを書いている私のFacebookの文章を見てか、同じように『奇跡のリンゴ』現象を疑問に思う東京の野菜生産者から、弘前のリンゴ生産者から見て『奇跡のリンゴ』現象とは実際のところどうなのか、ブログ用の掲載原稿を書いてほしいと依頼され、以下のように考えをまとめてみた(一部抜粋)。

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