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岡本信一の科学する農業

土壌の数値管理の可能性


土づくりは短期間で行なうものではなく地道に取り組むものである。だからこそ、今行なっていることが土壌の維持に役に立っているのか、そうでないのかを知るということは期間が短いほど非常に困難である。そう、効果の判定ができないのだ。しかし、何年も経ってからあまり効果がなかったということでは経営にロスが出る。その前に作業方法や有機物の施用についてのデータが揃いさえすれば、何を土壌に投入すると効果がどの程度あるのかを明確にできるのである。十分なデータを得られれば、あらゆる方法の土壌の物理特性別に効果の判定ができるようになるだろう。私はある一部の検証しか行なったことがないので、確実にできるとは断言できない。しかしながら、既に基礎的なデータを集められたケースでは、最適な作業方法や資材の投入方法を選択できることが分かりつつある。

土壌の物理性が良ければ基肥ゼロでも作物はとれる

最後に土づくりの誤解を解いておきたい。必ずしも手を加えなければいけないというわけではないということを是非伝えたいと思う。
土壌の化学分析結果がある一定の範囲内にバランスよく入っていると、収量や品質は土壌の物理性に依存する。言い換えると、土壌化学分析の結果がよく似た土壌があった場合、収量や品質は土壌の物理性によって決まる。土壌の物理性を真剣に考える一方で、作物が収穫までに必要とする土壌中の養分は最低量与えられれば十分だと考えることができる。大多数の方がどうしても肥料を多めに入れてしまいがちだが、施肥量をどこまで減らせるのかを知ることは非常に重要なことである。
実際にはこの施肥量というのは非常に難関で、様々なデータを取らないと最適な施肥量を調べることができない。そこで、施肥量の下限値を知るためにある露地野菜で調査を行なった。その結果は笑ってしまうことに無施肥でも作物の出来が変わらず、施肥量の下限値を知ることができなかったというものだった。つまり、その作物にとっては、前作までの投入で土に残っている養分で足りており、施肥はいらなかったのだ。その調査結果によれば、基肥はなくても良いということになる。この結果を見ると、従来から指導されている施肥量の根拠は何だということになってしまう。上記の調査を一緒に行なった方々が口々に「施肥基準を根本的に見なおさないとダメだ」ということをおっしゃっていた。笑い話のようだが、これが3年間の調査で分かったことである。ただし、この結果にも土壌の物理性が関係していて、一部の条件があまり良くない所では、施肥しないと収量や品質が安定しないという結果が出ている。

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