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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座肥料その1

 またこの取締法によって定められた保証票が、肥料袋にそれぞれ印刷されていますが、農業者は、その内容を理解できなくてはいけません。この表示保証成分の詳しい見方については次回から述べていきます。

 肥料選択で次に問題となるのは価格です。これについては1袋いくらの感覚だけでなく、その肥料成分1kg当り何円かという感覚も持つ必要があります。

 たとえば窒素肥料について考えてみますと、荷姿20kgの硫安が1袋630円で、窒索成分は21%であったとします。これは20㎏の中に21%のアンモニア態チッソですから、正味の窒素成分は、20(kg)×0.21=4.2(kg)です。成分1kg当りは630(円)÷4.2(kg)=150(円)となります。

 同じく荷姿20kgの尿素が1袋960円、窒素成分46%なら、窒素成分は9.2kgで、したがって成分1kg当りは104円となります。

 粒状石灰窒素なら、荷姿20kg、単価2340円、窒素成分0.20%として、20kgの中に20%のシアナミド態チッソを含むということですから、窒素成分4.0kg、成分1kg当りは585円です。

 また有機肥料のナタネ油糟は、荷姿20㎏単価850円(これは地域と時期によりかなり変動があります)とすれば、これは窒素をコリンのような有機態窒素として5%を含みますから、成分は1.0kgです。したがって成分1kg当りは850円です。

 以上、成分1kg当りをまとめると、 
硫安        150円 
尿素        104円 
粒状石灰窒素    585円 
ナタネ油糟     850円

 のようになります。しかしこれらはそれぞれに一長一短があり、この数字だけで、どれが高い安いということにはなりません。このキロ当たり単価が高くても、その肥効、性質が作物と圃状の土壌に合っているものであればよいのです。コストを知った上で、さらにそこまでの判断ができる力が必要ということになります。(資料:土壌・肥料・植物栄養事典/博友社)

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