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紀平真理子のオランダ通信

TOMATO WORLDへ訪問

去る6月24日、アムステルダムのウエストランドにあるTOMATO WORLDを訪問した。ここは日本人の研修生や農業関係者が訪れている施設でもある。ホームページでは研究されたレポートを読むことができる。今回は、「オランダ流ビジネス」と「農業マーケティング」の視点からこのTOMATO WORLDを考えてみたい。
1時間半のプレゼンテーションと温室ツアーのなかで多用された言葉は、「他業種企業との協力」と「バランスが大切」の二つだった。
LED電球の色彩適合性の研究をはじめ、トマトの品種改良や害虫対策はヴァーヘニンゲン大学と共同研究を行ない、ロッテルダムからアムステルダムの北、アイマウデンまで続くパイプラインを使用した二酸化炭素の再利用はロッテルダムの石油会社と共に進めているという。また、ロジスティクス機能の改良や受粉のためのアイルランド製ハチボックスの導入、オークションシステムから直接取引への移行、トマト拡販キャンペーンなど、常に多くの人がかかわり、一緒になってイノベーションを起こそうとしているようだった。
実家が農家で、この施設ではボランティアとして働いているプレゼンターの女性は、「オランダの農業は常にオープンだ」と語っていた。ディスカッションを繰り返し、より良いアイデアを出し合っていく。それはもし間違った方向に進んでいる場合、誰かが指摘してくれるからだという。自分の利益を守ろうと情報を開示しないことは損失を生む可能性があるとも付け加えていた。人のソーシャルネットワークを大切にし、共有された情報と知識に価値を見いだすオランダ人ならではの発想である。友人との話し合いでビジネスのアイデアを思いついたり、共同でプロジェクトを始めることはオランダでは珍しくない。しかし、彼らは新しい革新的なアイデアを実行し続けているだけではない。伝統も重んじ、できるだけ自然な状態で高品質なトマトの生産を試みている。

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