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海外レポート

東アフリカ・ケニアの農業ビジネス探訪 課題は自社ブランドの確立による商品価値のアップ

世界トップの生産量を誇るケニアの紅茶産業。その順調な成長の背景について2回にわたってレポートしてきた。そのひとつの鍵が、高い品質を維持するための徹底した生産管理にあることについて述べてきた。
環境的にもインド洋で隔離されていたり、気候の安定した高地栽培であったりすることから病虫害による被害が少なく、それが品質の良さに貢献していることもいえる。アフリカの農業ビジネスにおいても、紅茶はもっとも優良な農産物といえるだろう。
だが、問題がないわけではない。競争が激しいために茶葉の摘み取りを行っている労働者の手取り収入は低く抑えられ、それによるトラブルが起きることは少なくない。2010年にはある紅茶生産会社が摘み取りをより迅速化するために機械の導入を進めたため、8万人の農民がストライキを起こした事件がある。
悲惨な話では、賃金が低すぎるあまり生活苦から集団で売春を行って生活を支えていたという村もある。低報酬の例としては、摘み取った茶葉1キロに対して支払われる額が日本円にして約6円。一日に手で摘めるのは30キロくらいなので200円にもならない。取材したマタアラ紅茶ファクトリーでは、報酬はもう少し高いとのことだったが、それにくわえて会社と生産者の共同体としての信頼関係が成立しているかどうかも重要な点だろう。

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